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「裁判の時にも、本人に謝っているという認識でした」

――「地獄の本」ですか。読まれましたか?

「読んでないです。捨てました」

――それでも、謝罪に行きたいという意思はあったのでしょうか。

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「もちろんそうですよ。行きたくないなんか思いませんよ。僕、若い子に自分のケツは自分で拭けって言ってるんですから。実際、お父さんにも(電話で)謝ってますし、裁判の時にも、本人に対して謝っているっていう認識でした」

――刑事とほぼ同時期に始まった民事裁判では、億単位の高額な賠償金が保険会社からAさんに支払われています。その額はどのように決まったんですか。

「僕が保険会社に『全部払え』ってブチ切れたからです。保険会社って値切ろうとするんですよ。あの人らも仕事だと思うんで仕方ないとは思うんですけど僕は担当にブチ切れて、『できるだけ多く払ってくれ』と。僕の母親とも話して、お金で少しでも先方の負担を減らせるならできるだけ払いたい、と思っていました」

胃に管を通して食事を注入する「胃ろう」も家族にとっては負担が大きい ©文藝春秋

「もう僕のSNSを見ないで欲しい」

――ところで、2015年頃の「やっぱり教習所行こう」というインスタグラムの投稿は覚えてらっしゃいますか。

「投稿したのは覚えてます」

――これは供述調書で述べられていた、免許を一切取らないという話と矛盾する投稿ではないですか?

「だから多分これすぐ消しましたよ、たしか。5年前の事なので詳しくは覚えてないんですけど、この時イケイケだったので……。でもその後、免許証取ってないことは事実です。あとは僕、この時インスタグラムの代理投稿の業者とかにお願いしていたので、その人が投稿したのかもしれません」

2015年頃に投稿された辻氏のインスタグラム。「やっぱり教習所行こう」という言葉は刑事裁判で彼が誓った言葉と矛盾する

――2020年の5月にAさんのお父さんと辻さんが電話で話した時に、『辻さんが毎日楽しそうにしているのを見るのが辛いのでSNSの投稿を控えてくれないか』と言われたことは覚えていますか?

「言われたかな? それ無理って言ったと思うんですけど」

――仕事の立場上、やらなきゃいけないと答えられたと聞きました。ただ、被害者の家族の目に入って辛い気持ちになってしまう現実についてはどう思われますか。

「それは分かってます。分かってますけど、僕の論理で言うと、だったらもう僕のSNSを見ないで欲しいです。僕が投稿しないのは無理とはっきり言ってます。なぜかと言うと、僕は僕1人の人生じゃなくて、沢山の人の人生を背負っているからです。僕の投稿で、自殺を踏みとどまった人だっているんです。

 例えば、僕が犯罪を犯している状態でテレビに出たり発信しているなら、その気持ちも分かるんです。でも僕が見ないといけないのは前であって、今できることをやるのが最善だと思いますし、日本もいま僕にそれを求めている。だからいろんな大手会社から講演の依頼も来ています。今も何本も講演とかテレビ出演とか決まってますが、(今回の騒動で)一切取り下げることはないって連絡もらえたんですよ。逆に心に響いたって言われたんですね」