「死にます」「そうじゃない」「じゃあなんですか?」
――被害者家族はずっと辻さんにコンタクトを取ろうとしていたそうですがつながらず、2020年5月になって辻さん側から電話をかけています。どんな理由があったのでしょう。
「先方から『お前の子供が産まれたら同じことしたる』というメッセージが来ていたので、頭にきて電話しました」
――「SNSを控えてほしい」という以外にどんな話をしましたか?
「『僕にいま何ができますか? お金渡しましょうか?』って聞きました。嫌味なくね。お金じゃないのはわかってますけど、それで重荷が取れるなら払わせていただきますよって言いました。
それから僕命いらないです、とも言いました。それが償いだとお父さんが思うなら、それが僕の最大限のケツの拭き方になるなら僕は死にますって。お父さんの手で殺したいのであれば、僕は目の前にすぐにでも行かせていただきます、って言いました。でも『そうじゃない』と言われて、『じゃあ何ですか?』と聞いたら『それは自分で考えろ』って。
それならば、僕はいま前向きに生きていて、いろんな人のためにもなっていると正直思ってますという話をしました。沢山の人に勇気を与えたり、失敗した人たちを立ち上がらせたり、それをやり抜けばご家族に対して僕が出来る事も増えると思うんです。僕にもっと影響力とお金があれば出来る事も増えるだろうし、その時まで待って頂けませんか、僕のタイミングで話しますって言って電話を切りました」
「現段階で、謝罪に行くつもりはないです」
――お父さんの記憶では、「謝罪に来る気はあるのか」っていう質問に辻氏が「ないです」と答えたと。
「『ないです』とは言ってないですよ。それ、『今はないです』の勘違いじゃないですか? 今の現段階で、謝罪に行くつもりはないですっていう。この時期的な……。実は僕コロナになってたんで。その時期に行くのは違うじゃないですか」
――お父さんは納得していましたか?
「納得したかは分からないですよ。でもそうやって話聞けて嬉しかった、とは言ってもらいました。僕の認識では、この件に関しては納得してくれたって勝手に思った部分もあります。だから余計に、いまどうしてまたこじれているのかが分からないんですよ」