中国、韓国、台湾、香港、タイ、ベトナムと、アジアにも進出しているチロルチョコ。
アジア最大のマーケットともいえる中国で圧倒的人気を誇るフレーバーとは? 中国でチロルチョコという商品名を掲げるのを断念したわけとは?
チロルチョコ株式会社の松尾裕二氏に話を聞いた。(前後編の前編/前編から読む)
コロナ禍で、オフィス街のコンビニの売上激減で打撃が
ーーオイルショックの際は〈三ツ山〉チロルチョコをひとつにし、駄菓子屋の減少に対してはコンビニエンスストアへの販路拡大と、ピンチをチャンスに変えてきた御社ですが、今回のコロナはさすがに堪えるものがありましたか?
松尾 コロナ禍のテレワーク推奨により人手が減り、オフィス街のコンビニエンスストアにお客様があまり来なくなってしまったんですよね。
弊社はコンビニエンスストアでの販売が、売り上げの大きな部分を占めているのでダメージになりました。去年の頭はそうでもなかったのですが、みなさんが外出を控えるようになった3月、緊急事態宣言が出た4月から5月はガクンと落ちました。
一方で、ファミリーパックみたいな大袋は伸びましたね。巣篭もりで週に1度、スーパーマーケットに買い物に出たお客さんが買ってくれたようです。
それまでコンビニをメインの主戦場にしていたところがあったのですが、生活に密着したスーパーとかドラッグストアのポテンシャルの高さに改めて気づきましたね。今後はそのふたつの枠も押さえつつ、海外もしっかりと頑張っていきたいなと思っています。
中国ではなぜか〈松尾チョコレート〉で認知
ーー海外進出されているんですね。
松尾 私が社長になる前からやっています。いまは新型コロナの流行で出来ませんが、以前は月に1回はアジア中心にいろんな国を商談で巡っていました。中国、韓国、台湾、香港、最近はタイ、ベトナムにも進出しています。
ベトナムはまだまだな感じですが、タイは今年から伸びそうですね。中国は新型コロナがある程度落ち着いていて、やっと売り上げが戻ってきた感触があります。