「半グレ」と「不良」との違い
半グレと単なる不良との違いは、暴力団との関係性ではないかと彼は言います。
「カネの出どころが、半グレは多くの場合、本職(ヤクザ)からになる。ただし、美味しい話はヤクザがシノいで、割に合わないリスキーな仕事するのが半グレ。つまり『残りっ屁』が半グレの仕事です」
彼の認識では、半グレはヤクザに利用される存在ということのようです。さらに半グレにもヒエラルキーがあり、利用する側、される側がある、と。
「ヤクザはケツ持ちを匂わせてくるけど、実際には持ってくれない。半グレグループにはランクがあって、ヤクザは半グレ第1グループにネタを持ってくる。第1グループは、下の第2グループに実行させて、カネを分ける。犯罪がメクれたら、第2グループはトカゲのシッポ切り。だから、食う半グレと食われる半グレがいるんです。
ヤクザは半グレに何もしてくれない
世の中から半グレと言われる人たちは、自覚はないんじゃないですかね、『もっともヤクザに近い不良』だと思ってる。自分の中で勘違いしている。自分は組員じゃないけど、バックにはヤクザがついていると思っているが、実際には何もしてくれない。所詮、半グレなどは『つまようじ』ですよ。先が曲がったら捨てようかという程度。
ヤクザの盃をしていたら、10万円の上納で、組織から評価される。でも半グレは、50万円上納しても、評価されない。ケツを持つと思うから組織の為に一生懸命働いても、結局のところ半グレは使い捨てです。
半グレのリーダーも同様に、子分がやりかぶっても、何もしてくれません」
彼はヤクザからの情報をもとに、「行けそう」と思えば、自己責任でシノギを受けるといいます。これまでにかかわったのは「銀行融資詐欺」「行政の離職者支援詐欺」「ネットバンク詐欺」「債権回収の下請け」など。
「オレオレ詐欺は割に合わないからやってません。儲かるのは元(仕切り役)だけでしょ。
自分のグループは、4人抱えていました。給料も払っていたし、車も3台所有して行動していた。実質、上といえるネタ元のヤクザとは直接は会えない。ネタは若い人が持って来ます。この人もヤクザではなく、半グレ第1部隊。(彼らの詳しい関係性を)あえて聞いたことはないですね。それってルールに反するから。
多くは語らないし、カネでしかつながっていない。『ネタください』『(この仕事)やってくれる奴いないかな』──単純に、この関係のみです」