第三のキャラは“モテのカリスマキャラ”
“無垢な清純派キャラ”から“天然風・小悪魔キャラ”に変われたのは偶然だったかもしれませんが、第三の“モテのカリスマキャラ”への転向は、石原さとみさん本人やホリプロの明確な意思が働いていているように感じます。
彼女が30歳の誕生日目前に主演した連続ドラマは『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(2016年/日本テレビ系)。大手出版社の校閲部を舞台にしたお仕事ドラマでした。
そして、30代になってから初めて主演した連ドラが『アンナチュラル』(2018年/TBS系)で、不自然死究明研究所を舞台に法医解剖医の活躍を描いたお仕事ドラマ。
お次に主演した連ドラは『高嶺の花』(2018年/日本テレビ系)で、こちらは恋愛ドラマ。
続いての主演連ドラ『Heaven? ~ご苦楽レストラン~』(2019年/TBS系)は、フレンチレストランの個性豊かな従業員たちをコメディタッチで描いたお仕事ドラマ。
直近の主演連ドラとなる『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(2020年/フジテレビ系)は、病院を舞台に薬剤師の主人公を描いたお仕事ドラマ。
そして今年4月スタートの『恋はDeepに』は恋愛ドラマ。
恋愛ドラマ出演はブランディング戦略の一環
このように、30歳目前からのここ5年間の連ドラは、お仕事ドラマの比率が高いものの、要所要所で恋愛ドラマも投入してくるというバランスで主演しています。偶然かもしれませんが、2本お仕事ドラマをやった後に恋愛ドラマをやるというペースになっているんですよね。
少なくとも4作連続で恋愛もののヒロインをやっていた20代後半のときから、明らかな路線変更がされています。これはお仕事ドラマで“カッコいい女”アピールをしつつも、“強い女”のイメージに寄りすぎないよう、定期的に恋愛ドラマにも主演して“モテる女”アピールもするという、ブランディング戦略なのではないでしょうか。
そうして誕生した最新キャラが、モテとカッコよさのハイブリッドである“モテのカリスマキャラ”というわけです。
結婚後初の連ドラ主演がお仕事ドラマではなく恋愛ドラマだというのは、挑戦的とも思えます。しかし、“結婚後にあえて恋愛ドラマを選んだ”のではなく、結婚の有無は関係なく、壮大なブランディング戦略の一環として、今回は恋愛ドラマだったということなのかもしれません。