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2021/04/03

禁止されるタイアップ記事

 もっとも、そこは『週プレ』。3ページ分のこの記事のあとに、「怖い面はいろいろあるけれど…… メリットもこんなにたくさんある!!! オレ、包茎手術してよかったです!!!」という手術礼賛の記事を一ページだけ掲載している(*13)。手術の危険性を伝えたいが、タイアップ記事を受注する可能性も残しておきたい。そんな編集部の葛藤が表れているようだ。

*13 『週刊プレイボーイ』2016年8月1日、38~41頁

©iStock.com

 しかし、2018年以降は、そんな葛藤に編集部が悩まされることも減ったかもしれない。厚生労働省がタイアップ記事を事実上禁止する文書を出したからである。医療機関が広告料などを負担して記事の掲載を依頼し、患者等を誘引するものは、「記事風広告」として広告に該当し、医療法による規制の対象となることが明言された(*14)。とはいえ、そのころには『スコラ』も『ホットドッグ・プレス』も『平凡パンチ』もとっくに廃刊になっており、時すでに遅し、ではあった。

*14 厚生労働省、2018、2頁

「まあ、あれは「はやり」だもんね」

 2019年にはとうとう高須が、仮性包茎・短小・早漏は生物学的に最強で優秀なペニスであると『週刊プレイボーイ』で発言するにいたる。包茎手術ブームの仕掛け人に話を聞くという記事でのことだった。包茎には手術が必要という「常識」が高須によって意図的に「捏造」されたものであったことはすでに先述のインタビューで明らかにされていたが、ここで改めてその事実が確認された。「まあ、あれは「はやり」だもんね。文化そのものが変わっていくなかで生まれた、流行の手術」と当時のブームを振りかえり、いつ敵に襲われるかわからない野生の世界では、セックスが早いほうが子孫を残せる確率が高いという。そこで先の発言が出てくる(*15)

*15 『週刊プレイボーイ』2019年11月25日、130~131頁

 数々の男たちの身体を切り刻んだ末に、包茎手術ブームは完全に幕を下ろした。だが、一度根づいた価値観はそう簡単に消え去るものでもない。現在も包茎に悩む男性たちは存在しつづけている。

【前編を読む】手術失敗を苦にして自殺した14歳少年も…多数派なはずの“仮性包茎”が“恥ずかしい”ものになってしまった理由とは

日本の包茎 ――男の体の200年史 (筑摩選書)

澁谷 知美

筑摩書房

2021年2月17日 発売

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