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「風俗店の経営者を次々さらって客と女性を根こそぎ奪う」半グレ集団「怒羅権」元幹部が打ち明けた風俗“経営術”

『怒羅権と私 創設期メンバーの怒りと悲しみの半生』#4

2021/03/20

千葉の工場に「密入国者150人」を監禁していた

 密入国の相場は300万円ほどでした。密入国者は日本に到着すると、中国本土にいる家族に電話をかけさせられます。そうして無事を確認したのちに家族があちらのブローカーにカネを支払うというシステムでした。

 ただ、電話をかける前に逃げてしまう密入国者が少なくありません。日本に来てしまえば後はどうとでもなりますし、家族もカネを払わなくて済むからです。なぜ逃げることができるかというと、日本側のブローカーの管理が甘いからなのですが、このあたりは中国人と日本人の人権意識の違いが垣間見えて興味深いところです。

 日本側で出迎えを担当するブローカーはほとんどの場合ヤクザです。港で密入国者を出迎えると、トラックの荷台に乗せて東京や大阪などの大都市に向かうのですが、この道中に車を止めてトイレへ行かせたりするせいで、その隙に脱走されてしまうのです。中国人のブローカーならバケツの1つでも置いておいて「そこでしろ」というでしょう。実際、このことに頭を痛めたヤクザたちはやがてバケツを使うようになりました。

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 このように脱走をしようとして捕まったり、家族がお金を払えなかったりする者がでたときが、私たちの出番でした。

 千葉県のある都市に、自動車工場に見えるように偽装した施設をつくり、そのような問題ある密入国者を監禁していました。彼らの密入国費用の300万円は借金という形になり、1日滞納するごとに金利が発生することになっていました。そして毎日中国本土にいる家族に電話をさせ、300万円に金利を加えたカネを支払うまでそれを続けるのです。最盛期には150人くらい囲っており、蛇頭からは1人あたり1日5000円を受け取っていました。

 人気ギャンブル漫画の『カイジ』では、借金を返せなくなった者を閉じ込める地下施設やタコ部屋のようなものが描かれますが、まさにその現実版でした。

 最後まで家族が支払いを拒否した者がどうなったのかは、私は知りません。

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