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 その時、「そういえば、俺がワイドショーをやっていた時、“投資ジャーナル事件”の中江滋樹さんのところにアポイントなしで行ったよな」と思い出しました。それでこう考えたんです。例えば、「“ロス疑惑”の三浦和義さんの自宅に取材に行ったけど、会えなかった」――それでもワイドショーは成立するけれども、それまでバラエティでは成立しないと思われていた。でも、実際には成立するんじゃないか。それを実現させたのが『電波少年』なわけですよ。

 

ワイドショーに取り上げられることを、番組が起こせばいい

――土屋さんというと『電波少年』や『元気が出るテレビ』といったバラエティの印象ですが、ワイドショーもやられていたんですね。

『酒井広のうわさのスタジオ』というワイドショーを25歳から2年間くらいやりました。ちょうど「お前らワイドショーは、ウンコにたかるハエだ」なんて言われたり、ゴールデンタイムに“ロス疑惑”の2時間特番をやったり。ワイドショーがすごかった時代です。

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 だから『電波少年』をやる時、『元気が出るテレビ』での経験もそうですが、ワイドショーでの経験も大きかった。というか、「ワイドショーに取り上げられるようなことを番組が起こせばいいんだ」なんて思ったりしましたね。確信犯です(笑)。

――番組そのものがスキャンダルでした。

 ワイドショーには、マッチポンプみたいなところがあるじゃないですか。騒動の当事者に話を聞きに行くんだけど、実は燃やしに行っているわけですよ。だったら燃やしにいく一方で、収めにいくっていう視点もあるんじゃないか、収めにいく番組は今までないわけだから、「それ、いけるな」と気づいた。

 

 それで、女優の松坂慶子さんが無名のギタリストと結婚したことでお父さんともめている時に、『電波少年』が「親子なんだから仲良くしたほうがいいですよ」って言いに行くんです。そういうことをやって、ワイドショーのなかの人たちには、ものすごく嫌がられましたけどね。

――その手の企画だと、ジェームス三木夫婦が離婚裁判になった時に、「仲直りさせたい」をシリーズ化して、最後には「裁判に勝ったジェームス三木におごってもらいたい」までやっていましたね(笑)。

 ひどいもんですよ(笑)。