「退所してフリーになってこの取材が初めて受けた仕事なんですよ。最初は文春って聞いて驚いたんですけど、さすがに文春さんは反社じゃないだろうなと思って」
お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次(51)と吉本興業のエージェント契約が3月31日をもって終了する。昨年末にはオリエンタルラジオの中田敦彦(38)と藤森慎吾(38)がそろって吉本興業を退所し、1月30日にはキングコングの西野亮廣(40)が事務所を去った。
退所ドミノ真っ只中の2月26日に約29年間所属した吉本興業を電撃退所したお笑いタレントのユウキロック(48)が文春オンラインのインタビューに応じた。
同期に中川家、陣内智則、たむらけんじ、ケンドーコバヤシと、錚々たるメンバーが名を連ねるNSC11期生のユウキロックは、1995年に相方の大上邦博(現在は引退)とお笑いコンビ・ハリガネロックを結成。01年に開催された「第1回M-1グランプリ」で準優勝を果たし、02年にはNHK「爆笑オンエアバトル」で第4代チャンピオンに輝いた。14年3月にコンビを解散後は、養成所の講師や放送作家、タレントとして活動している。
昨年から開始した自身の公式YouTubeチャンネル「ユウキロックのエンタメウェビナー」の登録者数は1万6000人となり、動画再生回数は245万回を超えている。フリーランスとなり、吉本興業の外部も内部も熟知するユウキロックの目に、退所が相次ぐ最近の吉本興業はどう映るのだろうか。(全2回のインタビューのうちの1回目。後編はこちら)
気が付いたら、外の仕事が9割で吉本興業が1割に
――なぜ、20歳から所属した吉本興業を退所したのか?
「2014年にハリガネロックというコンビを解散しまして、その後も会社に残りました。ネタをしないタレントのような芸人として活動していたんですけど、もともと解散するときに若手芸人の育成みたいなことをしたいと思っていたんです。他社で講師をやらせてもらうようになって、気が付いたら、外の仕事が9割で吉本興業が1割になっていました。吉本に申し訳ない気持ちになり、現場でも先輩らに会うと『オマエ、まだ吉本やったん?』とか言われることもあって、『まだぼく吉本ですよ』って自分で言うのも情けなかったんですよ。それでも僕は自分の好きなように活動させてもらっていた。
その中でコロナになり、それまで吉本の仕事が最低でも月に1個くらいあったのが全くなくなって、この先、どうしていこうかなと考えて……。もう一度自分を鼓舞する気持ちとプロモーションの一環としてYouTubeを100日連続でやると決めたんです。そしたらDMで仕事がいっぱいくるようになった。けど、その仕事を吉本を通さずに自分で勝手には受けられない。そんな中、DMからテレビ番組のオファーも来たんです。僕からは返事できなかったので、会社から連絡あるかなって待っていたら、結局会社にはオファーがなかったようで、その仕事は流れてしまった。それで、いよいよ、僕は吉本じゃないねんな、という状況になって………」