左手だけで弾ける曲の楽譜を取り寄せた
左手だけで弾ける曲の楽譜があると知り、早速旦那に頼んで、某通販サイトで購入してもらいました。
届いた楽譜は、『舘野泉 左手のピアノ・シリーズ 吉松隆/3つの聖歌(ピアノ左手のために)、子守歌、4つの小さな夢の歌(3手連弾のために)』。
一緒に買った『舘野泉×吉松隆』というCDを聞いていると、楽譜にも入っているカッチーニの「アヴェ・マリア」が流れてきました。
「あれ? これ、スラヴァが歌ってた『アヴェ・マリア』じゃない?」と旦那が気づきました。
スラヴァはベラルーシ出身のカウンターテナー。男性ですが、裏声を使って高音で歌います。アニメ映画『もののけ姫』の主題歌を歌った米良美一さんみたいな声、といえばわかりやすいかもしれません。スラヴァのアルバム「アヴェ・マリア」は日本でも大ヒットとなり、旦那が買ってきてくれて一緒によく聴きました。
来日した時には、ふたりで紀尾井ホールで行われたコンサートに出かけました。もう20年以上前のことです。紀尾井ホールは小ぶりで素晴らしい音響。スラヴァの声もよく伸びて、シューベルトとカッチーニの「アヴェ・マリア」は特に素晴らしく、コンサートはあっという間に終わってしまいました。
興奮さめやらないお客さんたちとともに紀尾井ホールを出た時、突然、「アヴェ・マリア」がすぐ近くで聞こえました。偽物のスラヴァの声の主は私の旦那でした。
旦那は「ねえねえ、似てない?」と私に言ったのですが、私が返事をする前に、すぐそばにいたおばさんが「あなた、うまいわねえ」と感心して言ってくれました。
私の旦那は声が大きくて裏声で歌うのが得意。カラオケの持ち歌はアース・ウインド&ファイアーの「宇宙のファンタジー」、フィリップ・ベイリーの高音をフルコピーします。そういえばこの人は、イタリアのホテルのロビーでピアニストがビートルズの「ヘイ・ジュード」を弾いていると、いきなり大声で歌い始めたので仰天したこともあります。
最近は、ピアノの練習をするときには、カッチーニの「アヴェ・マリア」と決めています。左手だけで弾いても、私にはちょっと難しいのですが、とにかく曲が美しいからです。右手のリハビリはどこに行ってしまったのでしょう。