樹木希林邸から運んだ家具の秘密とは
司会 (おそるおそるカットイン)……早速お話が盛り上がっているんですが、その前に、本日のお二人がお座りになっている椅子とテーブルについて、也哉子さんからご説明いただければ……。
内田 はい。文藝春秋というと、すごく大きな組織をイメージしますけれど、実は『週刊文春WOMAN』という雑誌は小さい組織で、こちらの井﨑編集長と小峰さんという編集者が二人体制でやっていらっしゃるんですよね。
司会 最近、ちょこっと増えました。
内田 あ、そうでしたね。それにしても本当に手作り感満載なんですよ。今日のイベントにしても、井﨑さんと小峰さんと、磯田さんという女性の三人で昨日、わが家でこの椅子2脚とテーブルを1時間かけて梱包して、それを今朝、取りにいらして、車でここまで運んできたんです。
中野 そうなんですか!
内田 すごいでしょう。無機質なステージを温かな感じにしたいと言って、母が使い古した家具をわざわざ東京から横浜まで。
司会 これはもともと、どなたかの家具なんですよね。
内田 樹木希林展をご覧になるとわかると思うんですけど、母が持っているものはほとんど他人様が要らなくなったというものなんです。この椅子は役者の平幹二朗さんがご自宅で長年使っていらしたもので、「もう要らないから持っていく?」という流れだったそうなんです。ゴミ捨て場からも家具なんかをズルズル持ってきちゃうんですよ。で、ペンキを塗り直したりして。
中野 映画祭のトロフィーをランプにリメイクしたものが樹木希林展の図録にありました。すごくかっこいいですよね。
内田 既成概念がそもそもないというか。トロフィーをいただいたら、普通は飾るんだけれど。
中野 手作り感といえば、今日のこのテーブルのお花も、「自然なさりげないお花をご用意くださったんですね」って先ほど編集部の人に伺ったら、「そのとおりなんです~~」って。
内田 うれしそうに答えたでしょ(笑)。本当に手作りの雑誌なんですよ。でも、中野さんはたくさん連載されているから、これはワンノブゼムですよね。
中野 いやいや。『週刊文春WOMAN』はいつもすごく楽しみにしています。
中野信子の心に残るのは虚言癖の相談
内田 人生相談のコーナーを連載していらっしゃる。私もいつもとっても楽しみにしています。
中野 読んでくださっているんですか!
内田 もちろんです。
中野 ありがとうございます。いろんな方からお悩みをお寄せいただいて、それに対して私はだいたいが「なんでそんなことを悩んでいるのですか?」って答える、そういう連載なんです。私がすごく印象に残っているのが……あ、こういうこと話しちゃって大丈夫ですかね。
内田 そんなに心配しなくても(笑)。今日は何でもありで大丈夫。
中野 すごい虚言癖だっていう方がお悩みを寄せてくださった。その人は公務員なんです。公務員が嘘ついちゃダメでしょと、本人は後ろめたいんですけれども、いや、公務員でも嘘ついている人、今いっぱい居るけどなと(笑)。
内田 ふふふ。