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「ボールが白く見えたら打つ」元ベイスターズ・グリエルに打席で何を考えているか聞いた時の答えがすごかった

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/04/24
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「ボールが白く見えたら打つし、縫い目が見えたら打たない」

 はぁ? ってなりませんか?

 どういうことかというと、ストレートはスピン量が多いのでボールが白く見えて、フォークやスライダーはスピン量が少ないため縫い目が見えるそうなのですが、コンマ何秒の世界ですよ? デーゲームなら確かに見えることはありますが、見えたからと言って一軍のエースクラスをどうこうできるレベルじゃないです。

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 それができてしまうのがグリエル選手であり、メジャーで活躍するということなのでしょうか。その話しを聞いても私には真似できませんでしたし、日本人で出来る選手が何人いるのか。非常に興味深いです。

新時代の球種「ナックルカーブ」

 前述のような話しを色んな人に話していると、元ベイスターズで、当時日本ハムからトレードで移籍した土屋健二というピッチャーが、ダルビッシュ有さんも同じことを言っていたと。

 話しを聞いていると、今メジャーではボールを『白く見せる変化球』が流行りつつある。何故かというと、先ほどお話ししたグリエル選手のような打者がメジャーには多いようで、その対策として『白く見せる変化球』で打者の目をだます。その球種こそが「ナックルカーブ」や「パワーカーブ」という従来のカーブよりスピン量も多く、スピードも速い、空振りを狙えるボールなのです。

 日本人では投げる投手は少ないですが、メジャーではこの球種を投げる投手が多くいるのはこういった理由なのかと納得できますよね。

 科学やトレーニングの進化、または持って生まれた規格外の能力によって、数年前の“常識”がどんどん覆される昨今のスポーツ界。

 そんな“常識”を打ち破るべく選手やチームが試行錯誤する様は、見ている者をワクワクさせてくれます。そして大谷翔選手のような“世界の常識”をも覆す選手が現れた時、新しい“何か”が生まれるときなのかもしれません。

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