人権委は約6カ月にわたる調査の末、今年1月25日に「朴前市長の行為は性的屈辱感または嫌悪を感じさせる性的言動でわいせつ行為に当たる」と結論付けた。また、ソウル市などの関係機関に被害者保護や再発防止のための改善を勧告していた。
さらに最近になって、当初非公開でAさん側に送られたはずの人権委の「職権調査決定文」の詳細が、メディアで一斉に報じられた。
「1人でいる? 私が行ってもいいか?」
韓国メディアが報じた人権委の「職権調査決定文」によると、人権委は参考人たちの陳述などに基づき、Aさんが主張する被害内容をほとんど「事実」と認めた。
まず、2016年後半から2020年2月までの間、夜遅くに数回にわたって、朴氏が「いい匂いがするね、クンクン」「1人でいる? 私が行ってもいいか?」「いつも私のそばにいて」「私たちは特別な関係じゃないか」などのSNSメッセージを送ったり、女性の胸が強調された絵文字を送ってきたというAさんの主張は、参考人などが「メッセージを見た」と証言していることから、事実であると認められた。
朴氏から「ネイルアートをした手をきれいねといわれて触られた」「下着姿の写真が送られて、私の写真を要求された」「執務室のベッドで抱いてほしいと要求された」などのわいせつ行為を受けたという主張も事実だと確認された。
「男性経験がないから結婚できない」も事実と認めた
さらに、最も議論を呼んだ「男性経験がないから結婚できないのだ」「セックスを教えてあげる」などのわいせつなメッセージが朴氏から送られたという主張も事実として認められた。
この部分について、韓国で報じられたAさんの主張は次のようだった。
「テレグラム(チャットアプリ)の会話の途中、朴市長が『男を教えてあげる』『結婚するためには女はセックスが上手くならないといけない』という話を始めた。私は『奥さんがいらっしゃるんじゃないですか』と止めたが、朴市長は『別居している』といい、テレフォンセックスと言えるほどの表現を躊躇なく送ってきた」
「(はずかしくて)心臓が高鳴りすぎて手が震えるほどだったが、朴市長の気分を害さないように対話を終えようと努力した」
「朴市長は今後問題になるかもしれないと思ったらしく、私にチャットルームを削除するよう指示した。私が当日の内容だけを削除すると言ったら、本人が直接すべての内容を削除した」(テレグラムはどちらか一方がメッセージを削除した場合、相手側にもメッセージが残らない機能がある)