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便せんに描かれたイラスト
1日1回の面会を除き、外部との接触が制限される勾留生活で、植松はもともとの趣味である絵を描くことにも多くの時間を割いた。
死刑判決が確定する20年3月までに神奈川新聞記者に送られてきたイラストや漫画などは計16枚。拘置所では使える画材が限られていたため、ボールペンや色鉛筆などを使って便せんに描かれていた。
同封されている手紙にはイラストに関する説明がほとんどなく、接見時に記者が直接聞き取った(作品名の下のカッコ内は、イラストが同封されていた手紙に記されていた日付)。
短編漫画「REPORT」(18年12月4日)
B6判の便せん4枚に描かれた短編漫画。精神科医や障害者施設職員、研究者らに次々に質問をぶつけるインタビュー形式でストーリーは展開される。植松は接見で「いまの社会を見た感じをそのまま描いた」と明かした。
最後のページには観客とみられる、顔にシワの多い「へのへのもへじ」が登場。それまで大笑いしていたが、「年金が足りません」「日本は借金だらけ」という話が出ると一気に静まりかえる様子が描かれている。
拘置所のラジオで流れていた漫談で実際にあった場面を再現したといい、「その場面がすごく印象に残った。人は嫌なことは聞きたくない、ということ」と語った。