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衆院議長公邸に手紙を出すまで

「意思疎通がとれない者を安楽死させる」

 これを思いついてから1週間ほどで総理大臣宛に手紙を書き終えました。検察で改めて内容を読みましたが、自分でも恥ずかしくなる支離滅裂な文章で「ずいぶんイカれてますね」そう伝えると、検事さんは笑っていました。

 私にとってこの発案はイナズマが落ちたような衝撃でした。その熱意を帯びて自民党本部に手紙を渡しに行きましたが、周辺はとんでもない数の警察官で守られており、一般人の入る隙間がありません。それらしい所はないか歩き調べていると、警備の薄い衆院議長の公邸を見つけたので、試しにインターホンを押し、手紙を受け取って貰えました。

 3日連続で手紙を渡しに行きましたが、後日、園長から呼び出しをうけて退職するよう促されますが、皆殺しにできると予告したのですから、それも当然です。

劣等感を抱いたトラウマ

 私が劣等感を抱くには様々な要因がありますが、「不完全な自分」を痛感した一番印象に残っているでき事は「パンダ事件」です。

 それは、ハロウィンに精巧なパンダの着ぐるみを着ていった時のことで、街を歩くだけで道ゆく全ての人々が大喜びします。そのままクラブに行っても大人気で、なにをしても大ウケです。

 しかし、着ぐるみの中はとても暑く、一度着ぐるみを脱ぐと周りは嘘のように冷たくなりました…(苦笑)。

 あんなに笑顔でおどっていたギャルも知らん顔、あれはトラウマですね…

「超人」への強い憧れ

 私は「超人」に強い憧れをもっております。

 私の考える超人とは「才能」+「努力」を重ねた人間ですので、凡人以下の私では歯が立ちません。しかし、アルベルト・アインシュタイン氏いわく「天才とは、努力を続けた者」と定義しています。

 人間の才能は人並みより劣って生まれてくると、人並みになろうと努力するので能力はどんどん高くなり、人並みになったからといってブレーキをかけるわけではないので、能力はさらに高くなります。コンプレックスがハネになって人並み以上の才能をつくるというのは、組織工学の鉄則です。

植松から記者に届いた手紙やイラスト 写真=神奈川新聞社提供

措置入院中の出来事

 仕事を辞めて警察の調べをうけ、そのまま措置入院となります。

 隔離病棟には普通の部屋と保護房の2種類があり、はじめの日間位は保護房に入れられました。部屋には監視カメラが付いており、壁と床はクリーム色で統一された如何にも頭のおかしい空間でトイレしかありません。

 何もすることがありませんから、私はずっと考えました。

 警察官、医者や看護士に私の主張を伝えても「うーん…」と言葉を濁すだけで否定も肯定もしません。

 死について考えることは楽しくないですし、正直恐くつまらない話ですが、それはもう時間切れです。嫌なことから逃げて、何も考えずにボケた方が楽かもしれませんが、それでは人間のもつべき“理性と良心”を放棄しています。大変恐縮ではございますが、死と向き合い、死を受け入れるべきです。

拘置所での暮らし

 監禁経験がある方に共通していると思うのですが、毎日のように夢をみます。日常生活がつまらないため、眠っている時は自由が欲しいと考えているのかもしれません。たまにスケベな夢をみるのも気晴らしの1つです。