それだけ“パンツかぶり写真”が衝撃的だったからで、斉藤さんは女優生命が危ぶまれる事態に陥ったのです。この写真を流出させたのは誰なのかということも話題になりましたが、斉藤さんや不倫相手の医師がそんなことをするとは到底思えません。
一番考えられるのは、それぞれの配偶者のいずれかが携帯などに保存されていたと思しき画像を見つけ、懲らしめるためもあって、写真週刊誌の編集部に持ち込んだ可能性です。
斉藤さんが自宅に不倫相手を連れ込んだだけでも、大胆だなと思います。それだけでなく不倫相手の“パンツかぶり写真”が保存されており、しかも第三者がそれを手に入れられる状態だったのは、かなり無防備です。
私の外来に通院中の女性のなかにも、夫の携帯に保存されていた不倫相手とベッドでからみ合っている写真を見つけ、衝撃を受けて眠れなくなった方がいます。しかし、この女性は夫には何も言わず、この写真を自分のデバイスに保存しました。それ以降も、同じような写真を見つけるたびに保存していますが、これは離婚のための準備だそうです。莫大な慰謝料を請求するために、不倫の証拠となる写真をできる限りたくさん集め、夫に突きつける日を虎視眈々と待ち構えているわけです。
配偶者が何も言わないからばれていないと思い込み、自分だけは大丈夫と高を括っていると、痛い目に合いますよ。なめられているという悔しさが怒りの炎を一層燃え立たせるのが人間という動物なのですから。
不倫が悪いとは思わない
不倫を繰り返す人のなかには、不倫が悪いとは思わない人もいるようです。
『「不倫」という病』では「不倫は悪」という価値観を絶対的な正義とみなしているわけではありません。そうではなく、不倫の根底に潜む心理や背景にある社会的・文化的要因をできるだけ中立的な視点から分析しようというのが趣旨です。
ですから、不倫を悪いことだとは思っていない人を非難したいわけではなく、そういう人にしばしば認められる傾向を明らかにしたいのです。
まず、自己正当化の傾向が強いように見受けられます。たとえば、男性であれば「妻に女としての魅力がないから」「仮面夫婦なんだから仕方がない」「一生1人の女で満足できる男なんているわけがない」、女性であれば「好きになった人にたまたま妻子がいただけ」「結婚は早い者順かもしれないけど、恋愛は違う」「私が若くて魅力的だから男が寄ってくるのよ」などと不倫を正当化するわけです。