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2021/05/03

 もちろん、不倫がばれると、配偶者の怒りを買います。また、最近では職場で冷たい目で見られ、左遷や降格の憂き目に遭うこともあります。場合によっては、退職に追い込まれるかもしれませんし、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求されるかもしれません。

 そういうまずい事態になると、謝罪しますし、反省した素振りも示します。その後しばらくはおとなしくしているでしょうが、自分が本当に悪いことをしたと心から思っているわけではありません。むしろ、運が悪くてばれただけと思っていることが多く、機会さえあれば、また不倫を始めるのです。

不倫は犯罪ではないが、全てを失っても後の祭り

 これは、厳格な倫理観を持っていないからかもしれません。「『姦通罪』が存在していた戦前ならともかく、現代では不倫は犯罪ではないのだから、他人からとやかく言われる筋合いはない。あくまでも家庭内の問題だ」と思っているわけです。

 たしかに不倫は家庭内の問題かもしれませんが、そのせいで配偶者や子どもを深く傷つけることもあります。夫の不倫に気づいて眠れなくなり、自傷行為を繰り返すようになった女性もいれば、両親が不倫でもめているのを敏感に感じ取り、不登校になった子どももいます。そういう事態になりうることに想像力が働かないようです。

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 もしかしたら、歯止めになるものがないからかもしれません。通常は、夫婦間の愛情と信頼関係、あるいは子どもへの思いやりなどが不倫の歯止めになるはずです。しかし、そういうものがない場合や、たとえあっても本人がそれほど重視していない場合、不倫を繰り返す可能性が高まります。

 その結果、大切な家族を失うこともあるでしょう。大切なものを失った後で、それがいかにかけがえのないものだったかに気づいても、後の祭りです。ですから、不倫が悪いとは思わないのは個人の勝手であり、そういう思想信条を批判するつもりはありませんが、それによって自業自得ともいうべき代償を支払う羽目になるかもしれないことは、覚悟しておくべきでしょう。

【前編を読む】“特権意識の塊のような医師”の異常すぎる不倫欲…罪悪感を覚えず不倫できる男性の“思い込み”

「不倫」という病

片田珠美

大和書房

2021年2月24日 発売

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