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科学的に証明された“脳汁”の正体…大人気パチンコ・海物語は「演出の信頼度が40%っていうのが絶妙」

『パチンコ崩壊論』より #2

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篠原 例えば魚群レベルの演出が出れば、ドーパミン量が2倍になりますとかね。そういう数値を使えば、大工の源さんはどのくらいドーパミン量が出ていて、それは北斗無双3(*14)と比べてどうだとか、そういう比較はできる。ある機種を打っていたときに1年後に依存リスクがどうなるかっていう結果と合わせると、演出に問題があるのかどうかがわかるわけ。

*14 北斗無双シリーズの第3弾『P 真・北斗無双第3章』のこと。導入当初から「とにかく通常時の演出がつまらない」と話題になっており、あっという間に客が飛んでいった機種。初代の『CR真・北斗無双』は演出面・スペック面ともに好評で、導入から5年が経過した今もなお人気を博しているため「初代以外の無双は無双ではない」とネット上で揶揄されている

ヤング でも、演出なんてそもそも機種ごとに違うわけだから、単純比較って難しくないですか?

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篠原 パチンコメーカーが信頼度を管理的に演出を作ってくれてればいいんだけどさ、あれってだいたいヒットした作品のプログラムに付け加えていくって形でやってるじゃん。そうすると、当たり前だけど信頼度が変わってくるんだよね。実際には全部シミュレーターで動かしてみて、ログを全部拾って、実際に逆推計(*15)で信頼度出して、この演出がこのくらい出る台だから、これくらいあおってますっていうのを出さなくちゃいけないわけだけど、それが結構大変。

*15 予測での数値ではなく、しっかりと全てのデータに基づいて数値を出すこと。パチンコ演出信頼度を出すための逆推計は、恐ろしいほど地道な作業になるでしょう

大崎 できるんですか、それ……。

篠原 ずっとデータを取っていけば機種ごとの快感度の違いを特定できるから、ちゃんと調べればより面白い台が作れるって話を20年くらい前からしてたんだけど、誰もやらないから不思議だなと思ってた。でもやらないと演出規制の話ってできないから始めたら、誰もやらない理由がわかった(笑)。今言ったような演出の作り方をしてるから、結局、全部で10万回転くらい回して、ログを引っ張り続けなくちゃいけないわけ。

ヤング うわ大変だな、それは。

篠原 今回のはあおり演出に問題があるのかないのかってことだから、各メーカーにデータ出してくれって頼めたし、ある程度の機種を出してもらえたから検討できてるんだけどね。ただ、ログで出てても目には見えてない演出っていっぱいあるじゃん。端っこが光ってるとかさ。やっぱ実際に打たなきゃわかんないからね。だからしょうがないから打ってんだよ。