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昴生 揉めてんのに気に入ってんねや(笑)。

亜生 そう、間取りがね。

©『ミキ、兄弟、東京』-ヨシモトブックス刊

芸人じゃなく、お笑いコンビじゃなく、漫才師と言われたい

――何より、活動の拠点を変えるって大変なことだと思います。

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昴生 まさか自分らが東京に来るなんて思ってなかったです。1年前は考えられへんかった。

亜生 不思議ですよね。仕事場の行き来に東京タワーが見えたとき、なにこれ? なにしてんの俺らって思います。

昴生 2017年、2018年は漫才を中心にやってましたけど、今年、漫才はもちろんのこと、いろんな経験をさせてもらっているので、東京に出てきた甲斐があったなというか。出て来たからこそできる仕事をやらせてもらってますね。

亜生 僕はテレビの仕事が増えた分、漫才もより楽しくなってます。

昴生 そうなんや。僕はめちゃくちゃ不安ですけどね。漫才を考える時間をもうちょっと増やしたい。この前、1週間、漫才をやらんときがあったんですけど、あれはほんまにあかん。勘が鈍るんですよ。

亜生 確かに1週間ぶりの漫才は、めっちゃふわふわしてたなぁ。

昴生 漫才という軸があって、テレビにも出ていたい。今日はルミネの出番ですけど、平日もこうやって劇場に出たいですし。

亜生 時間があるなら出番入れてって、マネージャーには言うてますね。

昴生 今までのマネージャー全員に、劇場出番に軸を置いてほしいってお願いしてます。テレビに出させてもらうのは、平日の寄席がないときだけ。僕らの仕事は劇場で漫才をやることなので、そのバランスは今後も大事にしていきたいですね。テレビに出るのも、めちゃくちゃ大事なのはわかってます。でも……。

――漫才師でありたいということですよね。

昴生 そうです。芸人じゃなく、お笑いコンビじゃなく、漫才師と言われたいですから。

亜生 お兄ちゃん、街中で「芸能人や」って言われたらな?

昴生 はっきりと「芸能人じゃないです」って言います。ほんまにちゃうもん。漫才師でありたい。“漫才”で検索したら、2番目にミキが出てくるんですよ。2~3年前にラジオのリスナーの方に教えてもらったんですけど、これは嬉しかった。

亜生 そういえば最近、(スマホの文字入力で)亜生って変換できるようになったんですよ。昴生もできるようになったよな?

昴生 亜生は元から出てたけど、ついに昴生も……。嬉しいっていうか、楽。だって、今まで“すばるなま”って打ち込んでたから。

――そういうことにも、メディアでの活躍が反映されているんでしょうね。

昴生 やから、テレビにはもちろん出なあかん。みなさん、テレビに出てる人を観に劇場へ来るので。

亜生 劇場に来たことがないお客さんが足を運んでくれるのは、テレビに出るからこそですからね。

【続きを読む】「往復5時間が減った分、奥さんとの時間が増えて」ミキの亜生・昴生が感じた大阪と東京の“劇場”の違い

(聞き手:高本亜紀 写真:大槻志穂)