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漫才師・ミキが2019年に“上京”したワケ  「お風呂がザラザラ、クーラーは真っ黒!」「こいつ、不動産屋とすぐ揉めるんですよ」

『MIKI OFFICIAL BOOK ミキ、兄弟、東京』より#1

2021/04/29
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亜生 そう。壁紙とかパッと見てわかるところはきれいになってたんですけど、お風呂がザラザラで、クーラーの中はカビで真っ黒! しかも、バウ~ンって、めちゃくちゃうるさい音がするんですよ。フローリングも4つくらい穴が空いてて。

昴生 最悪やん!

亜生 最初に来た業者さんがいい人で「たぶんですけど、全部、クリーニングされてませんよ。絶対、(不動産屋の担当者に)言ったほうがいいです」ってアドバイスしてくれたんです。けど、不動産屋に全部は直せないって言われて。その業者さんに聞いたとき、フローリングの穴なんてすぐ直せますって言うてたのに。

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昴生 適当な仕事してる! 腹立つなぁ。最近、よう外に出て電話してるのはそのせいなん?

亜生 10回くらい電話してる、フローリングとお風呂のお湯が出るところをきれいにしてくださいって。けど、業者さんが来たら来たで(伝えた内容全部を)聞いてへんから、修繕するための道具を持ってないって言われて……今も戦ってます。僕、ほんまに揉めやすい。見る目がない。

©iStock.com

泣きながら「うううぅぅ……頑張った、俺。辛かったぁ」って(笑)。

昴生 大阪で初めて1人暮らしするときも、不動産屋と揉めてて。話聞いたらおかしいから、「契約金を返してもらえ。契約すんな」って言うたんです。「わかった」って不動産屋へ行って「お金返してもらった」って電話かけてきたんですけど、明らかに泣いてて。「泣いてるやん! お前」って言うたら、「うううぅぅ……頑張った、俺。辛かったぁ」って(笑)。

亜生 「手付金の10万円返してください」って言うたら、嫌な顔されて。何言うても埒があかんから、「わかりました、不動産屋の大元に電話します」って外に出て、大阪市の不動産屋を統括してるところに電話したんです。「僕は芸人になって1年目で、親の反対を押し切って大阪に出てきました。お母さんは反対していて、今はお兄ちゃんと住んでるんです。でも、お兄ちゃんも彼女と住んでるんで、どうしても出て行かないといけないんです。僕、この不動産屋と契約したくないです!」って。

昴生 あははは! どうでもいいのよ、その人にとってお前のその説明は。絶対、何言うてんねやろって思ってたやろうなぁ。

亜生 でも、電話に出てくれたのがいい人で、「わかった。おっちゃんがなんとかする」って不動産屋に掛け合ってくれたんです。そのおっちゃんに「外で待っといて」って言われたんで待ってたら電話かかってきて、「話終わったから、10万円返してもらいなさい」って。で、もう1回、不動産屋に行ったら、10万円をバーンと叩きつけられて塩を撒かれました。そのあと、なんばウォークの誰も通らへん真っ暗な階段で、お兄ちゃんに電話したんです。そういうことがあったんで、引っ越しは毎回めっちゃ怖い。けど、今の家は気に入ってるんで、ずーーっと住みたいなとは思ってますけどね。