昴生 ……僕は前から一目散で家に帰ってましたけどね。
亜生 僕と違って、お兄ちゃんは、帰るのがほんまに早い!
昴生 仲ええヤツとだけでいいんですよね、そういうのは。終わったらすぐ帰りたいってなる。
亜生 結婚してからそうなったんかな?
昴生 確かにそうやな。前はもうちょっと(芸人仲間と)ご飯に行ってたかもしれへん。
亜生 僕は用がなかったら、ずーっと劇場におった。漫才劇場にね、藤崎マーケットのトキさんっていう番人が住んではるんです。
昴生 劇場メンバーじゃないのに、ずっといるんです(笑)。
亜生 で、夜中1時くらいに「亜生、メシ食いに行こうか」って言われて、ラーメンを食べに行って。また劇場に帰ってきて、みんなでジュース飲みながら話すんです。クリスマスイブとクリスマスも、トキさんと一緒に過ごしたことがあります。そんなトキさんがこの前言ってました、「寂しいわ。仲ええ人がどんどん東京に行く」って。
昴生 ほんまやなぁ。大阪から東京へ行くときって、なにかしら(仕事の中で武器となる)手土産を1~2つ持っていかんとあかんと思うんです。とりあえず、なんとかなるやろうっていう感覚では無理。もちろん向き不向きはあるでしょうし、この芸風やったら東京に行ったほうがいいとかもあるんでしょうけど、ただ覚悟だけじゃどうにもならん気がしますね。
上沼さんから「1回は東京へ行きなさい」と背中を押された
――そういう意味で、ミキさんはベストなタイミングで上京したような気がします。
昴生 僕らが行くちょうど1年前、和牛さん、かまいたちさんが東京へ行ったんですけど、そのタイミングじゃなかったなって。さっきも行ったように、当時は上京なんて考えてもなかったですけどね。
亜生 僕は反対派やったし。お兄ちゃんから「東京に行く可能性もあるで」って言われても、まだええんちゃうって返してたんです。けど、(土肥)ポン太さんが「お前ら、歳いったら行きたなっても行かれへんぞ。失敗してもええやんけ。俺は何回か東京へ行ったけど遅かった。めちゃくちゃ悔しかった。自分が今じゃないなって思ってるときがベストかもしれんぞ」って言われて、確かになと思って。
昴生 僕は上沼(恵美子)さんから言われたのが大きいですね。『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)の収録が終わったあと、「1回は東京へ行きなさい」って言われたんです。
亜生 そうそう。やっぱり上沼さんに言ってもらうとね?
昴生 うん。じゃあ行ってみるかと思いましたね。
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(聞き手:高本亜紀 写真:大槻志穂)