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日本製品の不買運動が再び活発化している

 一方、これまで小康状態だった日本製品不買運動も、今回の放流決定をきっかけに再び火がつく見通しだ。

 すでに地方議会を中心に、日本製品に対する不買運動を主張する声が出ている。全羅南道・宝城郡では「組織的な不買運動を宝城から始めよう」と宣言し、日本と地理的に最も近い蔚山広域市・蔚州は「日本が既存の立場(汚染水の海洋放流)を撤回しなければ、不買運動はもちろん日本といかなる協力もしない」と宣言した。

ソウルの日本大使館前のデモの様子(筆者撮影)

 すでに韓国の大部分のスーパーチェーンでは日本産の水産物を扱っていないが、反日不買運動が激化する場合、水産物だけでなく日本産製品全般にわたる不買運動に広がる兆しが見られる。2019年の夏のように、スーパーやコンビニが日本製品の取り扱いを拒否し、宅配労働者が日本製品の運送を拒否する事態の巻き返しになるかもしれない。

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「ユニクロ自警団」を組織してユニクロ売場を監視し、ユニクロ製品を購買する韓国人をからかった文在寅政権寄りのインターネットコミュニティーでは最近、東京オリンピックのエンブレムに放射能表示やノージャパンの文字を合成したTシャツをデザインして配布している。

「反日Tシャツ」を作っているネットコミュニティーのHPより

 ツイッターをはじめとするSNSでは、「#日本人が地球の井戸に毒を入れた」というハッシュタグリレー運動が起こっている。

 このハッシュタグは韓国語、日本語、英語で作られており、文章と共に、汚染水と菅首相の顔を合成した絵や日本の汚染水放流以後、放射性物質が海洋でどのように拡散するかを説明する「拡散予想図」などが投稿されている。

 韓国メディアは、この運動は、1923年関東大震災当時、日本人が「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマを流して朝鮮人が虐殺された事件になぞらえたものだと報じている。

韓国政界では与野党問わず非難合戦

 韓国政界では、与野党を問わず日本に対する非難が起こっている。

 ソウル市議会、京畿道議会などの地方議会では、続々と「福島汚染水放流糾弾決議案」が採択され、19日には国会でも決議案が発議された。