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コロナで二週間の休業も「未来が見えた気がしました」 店主が背中を押された常連の“ある言葉”とは

『シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録』より#後編

2021/05/13

source : 文藝出版局

genre : エンタメ, 読書, グルメ, 社会, 働き方

 【2020年10月26日に聞いた答】

 あたりまえにしない

「昼吞み、夕吞み」、じつは1、2年前からやりたかった試みだったんです。まだ明るい時間から吞む休日って、自分自身が好きで、幸せを感じるから。常に予約が入っている状態ではできなかったのですが、コロナですべてキャンセルになったことを機に切り替えてみたら、ニーズが確信できました。

 それで時短営業が解除された今も、平日16時、土日14時に開店しています。平日でも19時の前に一回転できるので、協力金を入れたら、なんとか経営は維持できる。閉店も平日23時、土日22時と前倒しになったので、2021年春から実施されるJRの終電繰り上げも、僕らには影響ありません。

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 この営業時間に切り替えてから、24時には帰宅して、朝早く起きられる。運動、映画、美術館と、体も頭もリフレッシュしている午前中を有効に活用できます。

 コロナ禍は、外から見た飲食業、そして「高太郎」を客観的に分析する機会にもなりました。結果、これまでしてきたことと、これから進むべき方向はそう変わらない、変える必要がないと再確認できた。

 それは「一人ひとりと、きちんと対峙していく」スタンスです。お客さんが来てくれる、そのことをあたりまえにしないため、チームでも自分たちの存在意義や立ち位置について話し合いました。