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『New ポケモンスナップ』開発担当者インタビュー あの名作から20年…Switchで生まれた“写真のコミュニケーション”

『New ポケモンスナップ』開発担当者インタビュー あの名作から20年…Switchで生まれた“写真のコミュニケーション”

2021/05/05
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 一方現代においては、スマホの登場により常に持ち歩き、枚数や現像を意識することなく、日常的に写真を撮り、加工し、共有することが、当たり前の時代になっています。写真の楽しみ方は大きく変わり、完全にデジタルに移行したかと思えば、逆に印刷したものに価値があるようにもなってきています。

 ただ根本のところではどうでしょう。自分でその場の雰囲気を体験し、撮影したものにこそ価値があり、良い光景、いいタイミングでシャッターを切れたときがうれしく、またそれを人に見てもらって楽しいというのは変わっていないと思います。

 そこで、前作と現在の写真文化を考えていくことで、大本のコンセプトは前作のまま、写真との接し方を現在にあったモノにする、というのを今作の方針として決めました。そして、ポケモンの素敵な写真が撮れるのはもちろんのこと、ポケモンたちの暮らす美しい世界そのものを撮影できる、というのを目指すことにしました。結果、背景を作り込み、その中で主役となるポケモンたちが自然な動きで存在感が出るようにすることで、見ているだけで楽しい、写真に撮ってさらに楽しいという『New ポケモンスナップ』の骨格が出来ていきました。

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4月30日に発売された『New ポケモンスナップ』のパッケージ

Switchで生まれた「写真によるコミュニケーション」

――『New ポケモンスナップ』の魅力とは?

 ポケモンたちの他では見られない普段の様子を撮影できるという、NINTENDO64の『ポケモンスナップ』が持っていた楽しさはそのままに、美しいグラフィックで今の時代にあった写真の楽しみ方(撮る、加工する、見せる)ができることです。


 調査で撮った写真をそのまま博士に見せて、生態調査としての評価はしてもらえるのですが、写真に対する価値観はさまざまなので、自分だけのオリジナルの写真を追求することができるようになっています。

 写真には色々な加工ができるので、いわゆる映える写真だったり、面白い写真だったり、一コマ漫画のようにストーリーを感じられる写真だったり、遊ぶ人の想像力次第で多様な写真を作ることが出来ます。

 

 また、作成した写真はゲーム内で簡単に共有する機能があり、良いと思った写真にはいわゆる“いいね”のように”りんごメダル”を送ることができたり、人気の写真を一覧することもできたりします。Nintendo Switchの本体に書き出せば、今使っているSNSにすぐ投稿することができるため、それぞれの好みに合った写真によるコミュニケーションを楽しむことができます。