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「キザなセリフにツッコミを入れて読んでもいい」

——佐藤さんはずっとハーレクインファンなんですか?

佐藤 実はもともと恋愛小説には興味がなく、仕事として読んだのが最初の出会いです。以来20年を超えますが、ハーレクインに飽きたことがありません。ハーレクインは長く読んでくださる方が多く、読んでいるうちにヒロインの年齢を追い越すことがあるのですが、そうなると不思議と母心が湧いてくるとおっしゃる方も多いです。

——色々な読み方ができるんですね。

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佐藤 はい、笑って読むのもありです(笑)。ヒーロー(ヒロインが恋する男性)のキザなセリフに思わずツッコミを入れたり、ときには笑いながら読むうちに、ときめいたり涙したり。昨年のTwitterのタグにもあったとおり、読んでいると本当に免疫力が上がるような気がします。

※写真はイメージです ©️iStock.com

——ハーレクインが日本に上陸して40年経ちましたが、ヒロイン像はずっと変わらないんですか?

佐藤 ヒロインは「健気で誠実」で、これは全作共通です。ですが、日本創刊時と比べて確実に変わったのはヒロインの自立性。社長や大学講師などキャリアを確立したり、仕事を掛け持ちしたりするヒロインが増えましたね。

 そういった時代背景も影響しているのか、特にこの10年で盛り上がってきたジャンルが《シークレットベビー》です。ヒロインがヒーローの子を妊娠・出産するも、何かの障壁でヒーローには内密にしてシングルマザーに……という内容です。

ヒロインが「一夜で子どもを授かる」はあるある?

——否応なく、仕事と子育てを両立しなくてはならなくなるんですね。確かに働く母親が当たり前になっているいま、共感する人も多そうですよね。

佐藤 しかもヒロインはヒーローと必ず再会するんです。そのシーンがひとつの山場で、ヒーローに激怒されたり、子供の親権を奪われそうになったり、恋のライバル登場……など、展開が二転三転して、読み応えのある作品が多いんです。

——このジャンルのおすすめはありますか?

佐藤 感動ものが大得意なジェニファー・テイラーの『彼女のエンディングノート』でしょうか。ベビーが2人の絆をつなぐドラマティックストーリーです。

 

『彼女のエンディングノート』ジェニファー・テイラー

「ヒロインは施設で育つのですが、かつての恋人である医師と再会し、一夜を過ごして妊娠します。ところが同時にガンも発覚するんです。自分がこの世からいなくなった後、愛しい子どもをどうするのか……。エンディングノートという現代的なアイテムも登場します。涙なしには読めない1冊ですね」(佐藤さん)

 ちなみに、ハーレクインでは「一夜で子供を授かる」はあるあるです。熱いラブシーン、そして重い病気、子供と自分の命……。最後にどうハッピーエンドに至るのか、ぜひご自身で確かめていただきたいです。