昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/05/02

「コメディアンってやっぱりマイノリティが多いので、その俺たちのことを権力者はこういう風に呼んだとか、それを糸口にして話を展開する人が多かったんです。だからトランプがネタにされることは非常に多かった。それに比べてバイデンのネタは少なくて、おじいちゃんだとか、言い間違いが多いとか、内容が薄い。『彼はおそらく歴史上初めて、そよ風に暗殺される大統領になるんじゃないか』というジョークにはうっかり笑ってしまったけど(笑)。

 トランプ政権下での差別に対する抵抗が起きて、コメディという形で表出したと思っていますが、結果的にトランプ時代から“脱自虐”のネタが増えてきたんです」

※写真はイメージです ©️iStock.com

 この脱自虐の流れのなかで、「容姿」をネタにすること自体が減りつつあるのだ。ただ、福田麻貴は容姿ネタをやめる理由について、自分たちは容姿にコンプレックスはなく、いじられるのはウェルカムだが、自虐ネタとして自分たちがやったときに、似たような人がそれを見て傷つくかもしれないからだと言っている。

自虐ネタの取り扱い説明「誇りを持った上で」

「自分がコンプレックスを持っていることを自虐としてやってるのか、誇りを持った上で自虐をやっているのか、その違いじゃないですか。そこには微かなコンプレックスがあるのかもしれない。

 例えば、あんまりいい例えじゃないかもしれないけど、僕、目の色がめっちゃ薄いんですね。カラコンしてるってよくいじられたんですけど、これ目の病気で5回手術しててね。よく、いじられたときに、『カラコンやったら、こんな冬のプールみたいな色にせえへん』『ギャルがつける、ドン・キホーテで買った度なしのカラコンの色やんけ』って返すんですけど、それはね、別に僕、自分の目の色、嫌いじゃないんですよ。

 確かに、世の中には同じような色でコンプレックスもっている人がいるかもしれない。だけど、コンプレックスもってない僕が自虐するのと、コンプレックスのある人が言うのとでは、たぶん、伝わり方が違うし、これで、自分と同じ目の色をした人が傷つくとは思わないですね。それでも俺はこの目が好きなんだってことを伝えればいいんじゃないですか。ボディポジティビティの姿勢が大事だと思うんです」

 ただ、そこには矛盾もはらんでいる。