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2021/05/10

個人情報を送ったら引くに引けなくなる

―― そんな簡単に個人情報を送ってしまったんですか。

佐々木 ただこの大学生は、「友だちを紹介してくれたら何パーセントか取り分をあげる」と言われて何か怪しいと思い、インターネットで調べて特殊詐欺だと気づきました。そしてすぐに相手と連絡を断ったところ、教師志望だったその子の個人情報を知る相手から、「逃げたら教師になれないよ」と脅されたそうです。それでも勇気を出して連絡をとらなかったため、未遂で終わりました。でも、脅されると怖くなって、ますます相手の思うつぼにハマる被害者は多いと思います。

 また、特殊詐欺の闇バイトに手を出す人の多くは、自分が犯罪者になるかもしれないという意識が欠けています。「今までどんなバイトしてたの?」と聞くと、「受け子やってました」と平気で言う人もいますから。

 

大人でも「周りがやってるから」という理由で簡単にだまされる

 最近、JRA(日本中央競馬会)の騎手ら約160人が持続化給付金を不正受給していた問題がありましたよね。あれは、複数の税理士が関わって、仲介者が大勢の騎手たちに熱心な勧誘をしたため被害が一気に拡散しました。そのように、大人でも「周りがやってるから」という理由で簡単にだまされる人がたくさんいます。善悪の判断ができず、違法性があることを疑いもせず、悪いことを悪いとも思わない。こういう人が一番危ないんです。

―― ZOZO創業者の前澤友作氏がはじめた「現金プレゼント」に便乗した特殊詐欺も増えています。引っかかった人は、怪しいサイトに登録してしまったり、詐欺商材を売りつけられたり、投資詐欺に遭いやすくなるそうですね。

佐々木 Twitter上には、「現金配布」「プレゼント企画」のアカウントやハッシュタグが無数にあります。その中で、本当に良心的な取り組みをしているのはごくわずかでしょう。「現金配布」「プレゼント企画」でフォローやDMを募っているアカウントの持ち主は、「お金がほしいカモ」を集めることが目的の人がほとんどだと思います。

 そういうアカウントをフォローしたり、DMを送る人たちは、はっきり言って詐欺にだまされやすい人たちです。フォロワー数や「いいね」の数が多いアカウントなら信頼できるだろう、と思っている人もいますが、どちらもお金を出せば買えますから。

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