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「勝手にしろ」五輪中止発言で二階幹事長が見せた“動物的勘” 菅政権はコロナとオリンピックを乗り切れるか

後藤謙次「政局」インタビュー#2

2021/05/09

#1 「まだ早い」麻生副総理は河野太郎に忠告 水面下で広がるポスト菅の動きを徹底解説からつづく

国民に安心感や希望を与えられない菅政権の赤字は継続中

 前回の文春オンラインのインタビューで私は菅政権を赤点と採点しました。あれから、3カ月経った現在も菅政権の赤点は継続中です。

 トップリーダーに大切なのは、国民に安心感や希望を与えることです。コロナ禍において、「総理大臣がそう言うなら、しばらく我慢しようじゃないか」と共感させなければいけません。ところがそうしたメッセージは発信されず、この国はどうなってしまうのかという不安が増すばかり。この我慢がいつ終わるのか明確な基準も示されないまま、オリンピックが迫っています。

後藤謙次氏 ©文藝春秋

 二階俊博幹事長は、4月15日に収録されたTBSのCS番組で「とても無理だということだったら、すぱっとやめないといけない。五輪で感染を蔓延させたら、何のための五輪かわからない」と語りました。二階氏は持ち前の動物的勘から、国民の不安、懸念をそのまま口にして、五輪中止という選択肢もあり得るということをを示したわけです。

二階氏は釈明コメントに「なんでこんなものが必要なんだ」

 この発言が大きく報じられると、その日のうちに自民党は釈明コメントを出さざるを得ない状況に追い込まれました。五輪はぜひ成功させたいと強調した上で、「何が何でもオリンピックとパラリンピックを開催するのか、と問われれば、それは違うという意味で申し上げた」という内容です。

二階俊博 ©文藝春秋

 ところがあの文書は、二階氏本人ではなく、自民党の事務局が作ったものでした。二階氏は「なんでこんなものが必要なんだ」と抵抗したのですが、「党内でいろいろ反響が大きいですから」と言われて「勝手にしろ」となったそうです。二階氏はいまも、自分の発言は何も間違っていないと思っているはずです。