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原因解明の嘆願から115年の時を経て「終息」が宣言される

 日本では、1978年(昭和53年)に発生した1名の急性日本住血吸虫症の確認を最後に、新たな地方病感染者の発生は確認されなくなった。

 また、ミヤイリガイ自体はまだ生息しているものの、日本住血吸虫に感染している個体は同時期以降発見されなくなった。

数々の患者を治療してきた手術室。地方病の終息には100年以上の時がかかった ©あさみん

 それらの経緯から、1996年(平成8年)、「地方病終息宣言」が行われた。1881年(明治14年)の嘆願から、115年が経過していた。

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 なお、山梨県では現在もミヤイリガイの生息調査や監視活動が、万が一の再流行に備え定期的に行われている。

地方病との闘いの歴史

 こうして長い年月に渡り苦しめられてきた地方病は、多くの医師、研究者によってメカニズムすべてが解明され、世代を超えた多くの犠牲や努力により、日本国内では撲滅された。

 100年以上に及ぶ地方病との闘いの歴史は山梨県の誇りだが、県民でも知らない人は多いと館長は話す。

 現在我々が水を恐れることなく、安心した生活が送れるのは、先人による多大な努力と犠牲があったことを改めて認識するとともに、忘れられることのないよう、後世に語り継いでいかなければならない。