3種類のつゆを使い「しょうゆうどん」特製醤油も自家製
「讃岐うどん 條辺」では、温かい「かけうどん」用の本場のいりこ系のつゆ、冷たい「とろたまぶっかけうどん」用の濃口醤油を使ったつゆ、そしてもり系の「つけうどん」用のつゆと3種類のつゆを使っている。「しょうゆうどん」用の特製醤油も自家製で、かなり大変な作業である。
濃口醤油の甘めのつゆを用意したのは、埼玉の武蔵野うどんの土地で生き抜くためのユニークな工夫といえる。
――うどん屋さんとして認知されてお客さんが来てくれるという実感はいつ頃からですか?
條辺:そうですね、「おいしい」と受け入れられてきたのが実感できたのは開店して3年位過ぎた頃かなあ。毎日食べに来てくれる方も多くいますし、本当にありがたいです。
人気メニューを條辺店主に聞いてみると、
冷しの部:「ひやかけうどん」、「つけうどん」、「とろたまぶっかけうどん」
温の部:「かけうどん」、「しっぽくうどん」(秋冬限定)、「カレーうどん」
だという。
「かけうどん」(400円)は黄金色のつゆ
さっそく、人気の「かけうどん」と「とろたまぶっかけうどん」を注文することにした。
しばし待って到着した「かけうどん」をまず、食べてみることにした。しっかりと角のある太めのうどんが丁寧に配置され、透き通った黄金色のつゆに泳いでいる。青ネギと削り節がのって登場した。つゆをひとくち。いりこの出汁が利いた上品な味である。うどんは食感が硬すぎずもちっとした反発があり、噛み心地がよい。これぞ讃岐うどんといった感じである。
傑作の「とろたまぶっかけうどん」(500円)
次に「とろたまぶっかけうどん」をいただいた。うどんは同じだが、つゆはやや濃いめの色をしている。巴状に純白のとろろがかかっていて、中心に玉子の黄身、青ネギ、たぬき、薬味のショウガがのって登場した。つゆをひとくち。おお、これは濃口醤油が利いたやや甘めのつゆである。うどんをとろろと混ぜるとうどんがとろろと黄身をまとってとろとろの食感が口に広がっていく。この「とろたまぶっかけうどん」は傑作である。
――こんなにおいしいなら「店を増やしませんか」といわれませんか?
條辺:増やすつもりはありません。自分で店に立って、作ることに専念していたいと思っています。自分がピッチャー出身だったからというのもあるかもしれません。自分で投げて、アウトを取る、自分ですべてやらないといけないピッチャーという仕事と、うどんの仕事はある意味似ているのかもしれません。