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そして、このエンタテインメントのグローバル状況は今後さらに加速する。情報財の流通におけるもっとも大きな非関税障壁は言語だが、これから10年は、自動文字起こしやAIによる自動翻訳の飛躍的な進化によって、さらにグローバルな流通性が高まると考えられる。
10年後の音楽シーンはどうあるべきか?
そうした将来における日本のアイドルシーンや芸能界などに必要とされるのは、BTSのARMYたちのような広い視野だ。SKY-HIも「『日本は日本、海外は海外』と切り捨てていい話ではない」(BMSGオフィシャルページ「WHAT'S "BMSG"」)と述べているように、しっかりと現状と未来を見つめなければならない。人口減がさらに進む日本だけでは、今後マーケットが縮小するだけだからだ。
5年後、10年後の日本のアイドルシーンや音楽シーンがどうあれば良いか、それをマスコミや業界人をはじめ、ファンも考えるタイミングに来ている。救いなのは、ネット対応のスピード感が乏しいジャニーズに対しファンたちが強い苛立ちと危機感を募らせていることだ。
今後もインターネットはなくならず、ITはさらに進化する。スマートフォンのように、われわれの生活を大きく変えるようなイノベーションも遠くない未来にまた生じるだろう。
男性アイドルグループも音楽も芸能界も、そうした社会の変化とともにある。社会は固定的ではなく絶えず変化する。現在そこで生じているジャニーズやK-POPなどの競い合いは、2020年代の社会変化の反映だ。この競争を、より良い音楽と芸能状況につなげていかなければならない。