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「最も多いお客さんは43歳」「色々な男性にちやほやされたい」風俗サービスに通う女性の“意外な特徴”

『「女性向け風俗」の現場 彼女たちは何を求めているのか』より #1

2021/05/18
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 この「いや」という言葉で、私は数々の失敗を繰り返してきました。私は当初、「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉を鵜呑みにしていました。そのため女性が「いや」と言っていても止めなかったところ、後からとても怒られたのです。その経験を生かして、次の女性では「いや」と言う言葉が出てきたらすぐに手を止めました。すると変な空気になり、その女性は「なんで止めるの?」という目でこちらを見ていました。

 セラピストは、感じている最中の「いや」が、ほんとに嫌なのか、嫌ではないのかを見極める力が必要になってきます。多くの女性は、初めて会った男性と密室にいるだけで怖さを感じます。そのため、男性を怒らせないように「いや」と言えない心理が働く女性も存在します。

 読者の皆さんにお伝えしておきますが、私は決して優秀な風俗セラピストではありません。むしろ、数々の失敗を経験してきました。その中でも大きな失敗は、整体師の延長として風俗の仕事をしていたことです。身体を感じさせることだけが私の仕事であると考えて、それ以外の行為を軽視していました。

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 しかしお客さんにとって女性向け風俗は、待ち合わせでセラピストに会った時から、お別れまでが夢の時間なのです。さらには、最初の申し込みの時から夢の時間がスタートしていることを、苦い経験を通して思い知らされました。

「地雷店」の見極め方

 智子さんは、このようなことも話していました。

「いいセラピストって、なかなかいないんです。あー今回もハズレかぁと思うことが多くて」

 私がこの仕事を始めた2015年頃は、男性セラピストが自分の性欲を満たすために風俗営業をしている個人店も少なくありませんでした。

 お客さんから「オイルマッサージをしてもらっていたら、突然挿入された」という犯罪レベルの話を聞いたこともあります。当時は風俗店の情報がまだ少なかったため、そのような店舗でも綺麗なホームページに騙されて申し込む女性が後を絶ちませんでした。

(写真はイメージ)©iStock.com

 現在は、セラピストとオーナーが異なる店舗や、女性オーナーの店舗、男女スタッフ在籍の店舗など、女性や第三者の目が入っている店舗が増えました。加えて、ユーザーである女性自身が匿名サイトやSNSで各店舗の感想を掲載して、情報を発信しています。これらを通じて女性間で情報が共有されるようになり、各店舗の内実が分かるようになってきました。

 ただ2015年頃は、お店が自作自演の感想を書いている掲示板もしばしば見受けられました。自作自演は、過去の感想を見ていくと文章が似ているので分かります。