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森友公文書改ざん「亡くなる前の晩に電話があったんです」赤木俊夫さんの義母が語ったあの日のこと

『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』より#2

2021/05/25

source : 週刊文春出版部

genre : ニュース, 社会, 政治, 読書

「誰もあいさつもなく名刺もくださいませんでした」

 誰かに事前に相談したのだろうか?

「いや、自分で決めました。財務局の人たちが帰った後、すぐに(大人たちに)録音したと言いました」

「おじさんは父(雅子さんの兄)とすごい仲が良くて、ふざけあって趣味が合って、そんなに離れた親戚という感じじゃなくて近かったんです。思い出はいろいろあります」

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 次は甥っ子たちの母、つまり兄の妻(49)だ。実は雅子さんと同い年。幼稚園から中学まで同じだったという。

「俊夫さんには感謝しかありません。子どもたちと全力で遊んでくれた。叱る時もちゃんと叱ってくれた。何でも全力投球でした」

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 岡山で行われた俊夫さんの葬儀で受付を務めた際、参列した財務局の人が誰も記帳しないことに気づいたのは彼女だ。

「20人くらい来ていました。その中のお一人が『記帳は?』と言ったら、深瀬さんが『記帳はしてないから』と言って、結局誰も記帳しなかったんです。でも記帳は受け付けていたんですよ。財務局の人は誰もあいさつもなく名刺もくださいませんでした。おかしいと思ったんです」

 次は、俊夫さんとすごく仲良しだったという雅子さんの兄(54)。最初の出会いから尋ねた。

「うちへ妹(雅子さん)が連れてきて、両親と私が会いました。震災(阪神・淡路大震災)の少し前でしたよ。仕事の内容はようわからんが、難しいことをしてるんじゃろう。でも偉ぶらんし、力がある、元気がある。(普通の人とは)ちょっと違うと思いました。最初の印象に間違いはなかったですね。年は私より2つ上だけど、妹の夫だから、私のこと『あーちゃん』と言うてくれてね」

 あーちゃんとはこの地方で兄のことを指すという。この兄も、俊夫さんの死の翌日に訪れた財務局の人たちの対応に不信を感じていた。

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