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テレビで見ない日はない…超売れっ子時代、元オセロ・中島知子が感じていた「むなしさ」

テレビで見ない日はない…超売れっ子時代、元オセロ・中島知子が感じていた「むなしさ」

中島知子さんインタビュー #1

2021/06/06
note

MCをやっていて感じた「むなしさ」

——それこそ私はテレビでMCをする中島さんを見ていた時、尺の感覚とかテンションとか、この人はテレビとめちゃめちゃ相性がいいんだろうなぁと思ってました。 

中島 どうなんでしょうね。MCのことだけで言うと、名だたる芸がある方と比べたら、話芸を組み立てていくということは、私にはなくて。ただMCをやっていくっていう。だから、やっていく中で、やっぱりちょっとむなしかったですよね。 

 

——むなしかった……。 

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中島 結構むなしさがありましたね。それは他の方にはないと思います。芸があって、MCをやることでその芸がさらに磨かれていくような方には。

 去年かな、ダウンタウンの番組で、千鳥がダウンタウンのネタをずっとディスるっていうのをやってて。「あのネタはイケとんか」とか千鳥が外で悪口さんざん言って帰ってきて、ダウンタウンの2人に「ふざけんな」って怒られるっていう。

 うまく言えないですけど、自分にああいう部分はなかったな、積み重ねたものの「自信」でそうやって遊べるような。やっぱりMC “だけ”っていうのは、定期的にちょっとむなしくなる。女優業はまたちょっと違う作業なんで、だから、それはそれで楽しかった……楽しいと言ったら怒られますけどね。 

大御所の横で「なんで今そんなことを言ったんだろう」と

——大御所にも臆せずガンガン突っ込めた秘訣はなんだったんでしょうか。 

中島 大御所の方と組むことに関しては、「私なんて……」とか思ったことはなくて、逆に横にいていろんなことを知れる滅多にないチャンスだからうれしかったんです。

 人によってタイプが全然違うんですよ。「なんで今そんなことを言ったんだろう」みたいな発言も、実はトークを逆算して早めに振っておいて、後でつじつまが合うっていうやり方だったり。だからもう付いてくのが精一杯でしたね。

 

 三宅裕司さんと一緒にクイズ番組をやっていたときは、そこに音楽が好きなゲストの方に入ってもらったら、クイズ番組とはいえVTRでも盛り上がるところが他と全く違ってくる。私は本当に素人だから、レギュラーだった伊東四朗さんに「明智小五郎のドラマ見てました!」とか言っちゃって。そうしたら「ああ、あれは目に直接ピンポン球を入れてやってたんだよ」って、それはそれで盛り上がったり。 

——目に直接ピンポン球を入れるのもすごいし、それを引き出す中島さんもすごい。 

中島 そういう、素人っぽいから聞けるところがありました。「好きだったんで、見てました」って。お前、どのタイミングで言っとんねんって話なんですけど。