——そういうところがモリ夫さんはすごくうらやましかったのかもしれないですね。
中島 恥はないんで。恥ずかしさは、私たちの世代の芸人にはないんで。そういうことを言っている場合ではないくらい、ぶっ飛んだ企画が多かったんです。
もしかしたら第7世代の子たちは、頭がいいからこそ、ベタなことをやりたがらないのかもしれないですね。恥ずかしいわけではなく、最終的に大人に頼らなくても食べられるっていう生き方をしてるというか。
——なるほど。おもしろいですね。大人のテンポに敢えて乗っからない。
中島 自分たちの時は、まずもう投げる、大御所の人に投げまくる。スベっても何しても。投げて、シーンとしたら、「これ、誰が引き取んねん」とか。ベタなんですけど。ちょうどあの頃はいろんな文化の過渡期というか。テレビや芸能人が何かに“気づく”少し前というか。
『チューボーですよ!』での大失敗
——大御所から怒られたくないという気持ちは?
中島 それはありますよね。堺正章さんの「星3つ」の番組に出させてもらった時に……
——『チューボーですよ!』。
中島 そう、『チューボーですよ!』でテンションが上がりすぎて、「なんで私を呼んでくださったんですか?」って堺さんに聞いたら「知らないよ、俺も」っておっしゃって。それはギャグなんですけど。それなのに私、堺さんのことを「小堺さん」って呼んじゃったんです。もちろん「お前な、ふざけんな」ってなったんですけど、あろうことかもう一回言っちゃったんですよ。
——「小堺さん」(笑)。
中島 あの時は私、芸能人生が終わったのかなと思って。でも番組の最後に、スポットライトを端っこにだけちょっと当てて、ゲストとトークするっていうのをやってらっしゃったじゃないですか。あの時に、堺さんが優しくて、「ちょっと待ってね」って、セットにあった電話機に向かって「もしもし、小堺君? なんかお前と間違えられちゃって困るんだけどさ、名前変えてくれない?」っていうオチで落としてくださって。
——巨匠すごい。
中島 本当にありがたかったです。
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写真=釜谷洋史/文藝春秋
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毎週木曜日、22:50頃より「中島知子のおうちで作れる!本格中華のススメ」(テレビ大分)が放送中。
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