法務大臣に性犯罪の厳罰化が答申されたことをご存じかしら。来年にも法改正が実現すれば一九〇七年の刑法制定以来百十年ぶりの見直しだとか。性犯罪被害に遭った人たちの苦しみを考えれば厳罰化は当然。大賛成よ!

 ポイントはいくつかあって、まず強姦や強制わいせつを被害者の告訴がなくても起訴できる「非親告罪」化。そして、強姦罪の法定刑は現行の下限である「懲役三年以上」が「五年以上」へ引き上げになるの。「魂の殺人」とも呼ばれる強姦が強盗より刑が軽いのはおかしい――そう言われてきたことを考えると改正は遅すぎるくらいじゃないかしら。

 さらに、親から子への性的虐待など、これまでは軽い罪で済んだケースも強姦罪や強制わいせつ罪などが適用されるようになるの。

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厳罰化を議論する有識者検討会
Photo:Kyodo

 そして、被害者は女性、加害者は男性という性差もなくなるので、男性被害者にとっては救いになると思うわ。あってはならないことだけど、教育現場では、男性教師から男子児童・生徒への加害行為だけでなく、女性教師から男子児童・生徒に対する性犯罪も結構多いの。

 大学で「性的自立」の授業後、小学生のとき女性の担任から性暴力を受けたことを打ち明けてくれた男子学生もいたのよ。それ以来、教師を信頼できなくなって成績も落ち、誰にも相談できずトラウマを抱えて……。その行為がどれほど相手を深く傷つけるか、加害者はきちんと知るべきね。

 それにしても日本は性に対する教育や意識が本当に遅れている。コンビニに成人向け雑誌が置いてあったり、痴漢や強姦のAV(アダルトビデオ)が流通しているなんて国際的にみたら異様よ。小さい頃から相手の人格を尊重するようしっかり教えること。性犯罪の厳罰化だけでなく、性犯罪者向けの再犯防止策も強化してほしいわ。