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「なぜか公務員ばっかり来るんです」カリスマニューハーフ嬢が明かす“業界の意外な特徴”とは

『男娼』より #2

2021/05/26
note

「男の娘」人気の理由とは…

―男の娘という単語が出てきておそらく10年も経っていないですよね。でも男の娘の専門店に近いお店がある。それだけ男の娘に需要があるということですよね。人気の理由はどういうところにあるんだろう?

「やっぱりあそこが勃つかどうかが一番重要だと、お店やお客さんからも聞いていまして。女性ホルモンを使って勃たなかったら意味がないんです。使っていると勃ちが悪いんです」

―ギンギンに勃たないということ。ふにゃちん?

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「(女性ホルモンを)使っていても勃つ方はいますけど、ふにゃちんが多いです。あと胸に関しても、(シリコンを)入れていない、自然なほうがいいというお客さんが多いです。だから少年愛なのかなと」

―身体が少年っぽくて、顔も中性的で、でもちんこは立派、みたいな。ギンギンに立つちんこ。そのアンバランスな見た目に欲情すると。

「それを求めて来られています」

 世の中には自分の知らない世界が、本当に本当に、まだまだたくさんある。

ニューハーフは手術費用、「男の娘」はお小遣い稼ぎが目的

―どういう理由で皆さん働き始めていますか? 同僚とはそういった込み入った話はあまりしない? 生活費のためとか、手術費とか。

「前のお店は自分以外ニューハーフの方しかいないお店で、手術費用を貯めたい、あと、ホストクラブでシャンパンタワーをしちゃって借金をしてしまったとか、とんでもないことになっている方がほとんどでした」

―ホストクラブで散財するのは、セクシュアリティ問わず、セックスワーカーなんだ。手術費用という人がやはりいるんですね。 

「そうですね。女性の体になりたいと。ここまではニューハーフの話です。男の娘になると、お小遣い稼ぎ。女装をもっと楽しみたいから服を買いたい、永久脱毛をしたいとか」

 —自分の外見にお金を使いたいので、その資金稼ぎということですね。本業を持っている人が多いですか?

「本業を持っている子もいます。普段は会社員で、土日のみ出勤という方も。ほぼ毎日出勤の専業に近い方もいます」

―切実な人はいない? 明日食うものにも困って、みたいな人。

「いることはいます。普通の企業で雇ってもらえないという人がたまに来ます。その場合、ニューハーフの子がほとんどです」