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「なぜか公務員ばっかり来るんです」カリスマニューハーフ嬢が明かす“業界の意外な特徴”とは

『男娼』より #2

2021/05/26
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―そのとき、なんておこたえしています?

「『AV女優になりたくて会社を辞めたんですよ』って」

―お客さん、それを聞いてびっくりしませんか? え? どういうこと? って。

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「『AV女優は若いうちにしかできないから挑戦したいじゃないですか。若いうちに作品を残したい』みたいなことを言います。そうすると『えー、すごいな』みたいな」

―その「すごいな」とはどういう意味なのでしょう。

「自分のために作品を残して、自分の好きなことをして生きている、そういうことだと思います」

土下座して「ありがとうございました」と…

―「風俗、早く辞めたほうがいいよ」とは言われない?

「言われないです」

―なぜ風俗嬢は言われるんだろう。

「たぶんそれって源氏名をつけているからじゃないですかね。お金のためだけにこの子は風俗をしているんだなとお客さんに思われているのかも」

―荒金さんは本名で働いているから本気度が違うということ?

「本気度というか、この子は好きでやっているんだなというのがお客さんに伝わっていると思うんです」

―風俗嬢でも好きでやっている人がいますけど、そうすると男性に限らず、「風俗を好きでやっているのはおかしいよね?」みたいなことを言われるんです。それはなぜなのかなと思っていて。

「女性の場合はたぶん言われると思います」

―その理由は?

「水商売にも偏見がありますけど、風俗にも偏見はありますよね」

―水商売や風俗は蔑まれるけど、ニューハーフヘルスは蔑まれないということ?

「ニューハーフヘルスにはなぜか公務員ばっかり来るんですよね。公務員とか社会保険労務士とか、お堅い仕事をされていて、性癖で困っている方ばかりが来られるんです。性癖で困られていて、女性の風俗へ行ってみたけど満足できなかった。私の場合、帰りに土下座までして『ありがとうございました!』みたいに言ってくれるお客さんがいました(笑)」