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僕に興味を持って来てくれる、優しいお客さんが好き

 LGBTのなかでLGBまではカミングアウトでもされない限りセクシュアリティを目視することはできない。一般社会に埋没しているということになる。しかしTに関しては、声質や骨格で100%埋没しきれないことがある。そもそも戸籍変更は性別適合手術が条件のため、未手術の肉体では戸籍変更が不可。よって、見た目が女性(もしくは男性であっても)、戸籍は男性(もしくは女性)という状況になってしまう。理解できないもの目立つものに人は敏感になる。関わりを避ける。さらにひどくなると排除する。人によっては腫れものにさわるかのような接し方になる。それは差別の発露になりうる。TにはLGBよりも、より高い壁が存在するのだ。性的マイノリティの働きやすい職場づくりを支援しているNPO法人虹色ダイバーシティの『LGBTと職場環境に関するアンケート調査2016』によると(回答者2298人)、Tの非正規雇用は4人に1人の割合とLGB(ほか)よりも高く、求職時の困難を感じた人はLGB(ほか)44%に対して、Tは70%となっている。トランスジェンダーの就職に困難が伴うことが明らかになっている(©Nijiiro Diversity, Center for Gender Studies at ICU 2016 )。

写真はイメージです ©iStock.com

―好きなお客さんはどういう人?

「僕に興味を持って来てくださる方。ネットで荒金さとみを調べ、興味を持ち、差し入れまで持ってきてくれる人もいます。『今日をすごく楽しみにしていたよ』みたいな。優しいお客さんが好きです」

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―嫌いなお客さんは?

「女性の風俗ではよくあることですけど、お酒を飲んで来て、適当にフリーで入って、さっさとやってよ、みたいなマグロ系です」

―会話もあまりしないで、話しかけても反応が悪いという人ですね。それは勢いでニューハーフヘルスへ行ってみようぜ、みたいな方なのでしょうか。

「はい、そういう方がごくたまに来られます。ほとんどは優しいお客さんばかりですけど」

―たまに嫌な人も来るけど、ほとんどがいいお客さん。風俗嬢の場合だと、お客さんから「なんでこんな仕事してるの?」とか、「早く辞めたほうがいいよ」と言われることがあるそうです。そういうことは言われます?

「いえ、全然言われないです。『どうしてこの仕事始めたの?』は言われることがありますけど」