“パチンコ売春”という原体験
――パチンコ売春ってなんですか?
「25年前くらいかな。20代後半のときからパチンコにハマった。地元は神奈川県で女子高校卒業して派遣していたの。工場の仕分けみたいな。昔から運動も勉強もできないし、趣味もなにもないみたいな人生で、パチンコだけはハマったの。『海物語』って知ってます? あれにハマった。工場で働いている以外の時間は、全部パチンコ屋にいるようになった。で、月給が1日でなくなった日があった。魚群が何度出ても外れた。泣きながら店内を歩いていたら、おじさんから声かけられた。ホテルに行ってセックスしたら1万5000円もらった。なにこれ、えーすごいって」
――それがパチンコ売春のはじまりなんですね。
「そのとき、そのおっさん、テクあってうまくて、気持ちよくなってお金もらってマジですごいって。それからパチンコ売春です。勝てばいいけど、負けたときは景品交換所とかウロウロして、声かけられるのを待つの。負けたらその場で売春したから、朝から晩までパチンコになっちゃった。それで母親からあきれられて絶縁されたんだけど」
――どうしてパチンコやりすぎで絶縁になるの?
「28 歳でパチンコはじめて、朝から晩までだったからじゃないですか。母親に何度もいい加減にしなさいって怒られて、最後は母親が『お前なんか産まなきゃよかった』とまで言いだした。その言葉を聞いて家出を決意した。勢いで家を出てそのまま電車に乗って池袋に来たの。それが20年前。家出した何日後かに立ちんぼになったのね」
――立ちんぼって、そんなすぐになれるんですか。
「パチンコ売春でエッチでお金が稼げることは知っていた。だから、もう勝手にやった。最初、私は片手の5000円でやってたの。そしたら他の立ちんぼに怒られて、『そんな低い値段で遊ばせないで! こっちの単価が下がるでしょ!』って。うちらのルールがあるんだからって。みなさんはいくらでやっていらっしゃいますか?って聞いたら、1万~1万5000円って。値段を上げたときに客は減ったけど、あれから、なんだかんだで20年も経っちゃったよ」