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ハンパじゃない量のケチャップを…

 しかもその使う量がハンパではない。

「皿や容器にドバッとケチャップを出し、ポテトなんかを泳がせるように浸しては口に運ぶっていうのがアメリカ的な食べ方。だから客はイートインの場合、店内備え付けのケチャップボトルから各自の容器になみなみと注ぐし、テイクアウトではひとつフレンチフライを買ったら、5、6パックはケチャップがついてくるのが当たり前。店員もミニパックを無造作にひと掴み取って、バサッと紙袋に入れてくれますから。あっちのフレンチフライは軽く日本の倍ぐらいのボリュームがあるので、客の側もやっぱりそれぐらいの量を求めてしまうんですよ。またアメリカでは日本以上にケチャップが安いので、客の側は『ケチャップの料金はフレンチフライの代金に含まれているから、大量についてきて当然、もらわなかったら損』という感覚なんです」(レヴィン氏)

「FATZ’S THE SAN FRANCISCAN」のハンバーガーとフレンチフライ

 そんな消費のされ方だった国民的調味料が、テイクアウト販売の急増で爆発的な仕入れ量の伸びを見せ、さらにロックアウト解除後はイートイン用の据え置きボトルも感染防止の観点から、各所でミニパックに置き換わった。

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「だからケチャップ大国・アメリカでも一気に需給のバランスが崩れ、ミニパック不足のパニックが起こったんでしょうね」(レヴィン氏)

日本の調味料ミニパックの売上は増えているのか?

 では同じようにコロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーの需要が増えている日本での調味料ミニパック事情はどうなっているのか? それぞれの代表的メーカーに当たってみた。

●カゴメ(ケチャップ)

「業務用ミニパックの売上は昨年秋以降から今年3月にかけ、前年比でやや増えていますが、“好調な部類に入る”という程度の動きです」(広報グループ)

●キユーピー(マヨネーズ)

「コロナ禍以降、小袋やミニパックといったポーションタイプのマヨネーズ類の売上高は前年比で減少しているものの、商品全体ほど落ち込んではいません。したがって相対的には、堅調に推移していると言えます」(広報・グループコミュニケーション室)

©iStock.com

●キッコーマン(醤油)

「テイクアウト需要や、衛生管理の観点から店内での使いきり需要が増え、弊社では外食店に向け、営業担当が業務用の小袋の提案を強化しています。その結果、業務用小袋の売り上げは前年度比で2割増えました」(広報担当)

●ブルドックソース(ウスターソース)

「お弁当屋さんなどに向けた出荷をはじめ、小袋の売り上げは伸びていますが、コロナ前に比べ際立って増えているというほどではありません」(経営企画室)

●旭創業(日本で初めて、魚やボトルの形のポリエチレン製液体調味料容器『ランチャーム』を開発。現在、ランチャーム補填型の醤油、ソース製造の国内最大手)

「醤油、ソースとも、コロナ禍前に比べれば1割弱、売り上げが増えています。とはいえ、品薄になるほどではありません」(社長室)

●ゼンショー(運営する牛丼チェーン『すき家』で、テイクアウト用に紅ショウガ、七味の小袋を添付)

「テイクアウトやデリバリーの需要がコロナ禍の中、増えているのは事実ですが、各店舗で紅ショウガや七味の小袋が不足しているようなことはありません」(広報担当)