椿原慶子アナが、ついにニュース番組のメインキャスターに抜擢された。フジテレビにも、ニュース好きな視聴者にとっても朗報だ。期待して初日を迎えると……。
テーマ曲が流れた直後に映ったスタジオの光景に、視聴者は仰天した。これは何だ。α状にデザインされたテーブルは真っ白、微かにうねるバックの壁面もまた白。
白一色のテーブルに、椿原さんと曜日別のコメンテーターが一人だけ。寂しい! まるで機能的過ぎるオフィスのようで、私の頭も真っ白だ。
前クールまで放映されていた市川紗椰の『ユアタイム』とは、すべてが正反対。良くも悪くも『ユアタイム』の雰囲気はユルユルで統一感はなし。その是非は置くが、まさかここまで変えるとは。
番組構成はシンプルだ。沖縄で米軍ヘリが炎上したニュースがトップの日も、短く映像を流してコメントはなし。神戸製鋼のデータ改ざん事件もサラッと伝えるだけ。この後に企画コーナーが入る。海外に和食を売り込む初の展示会にかなり時間を費した。
テレビ東京の『WBS』の線を狙っているのだろうか。ビジネス報道に特化させようというのなら、もう少し企画を練らないと。これからのステップアップ期待してます。
みんながギョッとした、白一色の寒々しいスタジオ。サブの新人男性アナもいるが、基本的には個性の薄い学者やコンサルタントとの、一対一のやりとり。難題は山積だ。
しかしさすがは椿原さん。そんな環境下にあっても、まるで臆することなく、ニュース原稿を正確に読みあげる。華のないコメンテーターの話にも適度に優しく接し、しかしラスト数秒で自分のポリシーを感じさせる締めの言葉で着地させる。このあたりは、さすがフジの報道を担う、エース候補の風格ありだ。
そんな椿原さんと視聴者がいま最も困惑しているのは、画面切り換えの際の、顔の大アップか。滝川クリステルや秋元優里の昔から、何かというとフジは“美人アナ”のどアップを意味なく撮った。
『ユアタイム』のように、ざっくりしたワイドショー型のニュースでなく、スリムな報道番組を目指すなら、あんなミエミエの大アップは、彼女にとっても有り難迷惑だ。
クールで開けっぴろげ。アナウンス力も抜群。そんな逸材なんだから、ていねいに育てて下さい。フジ浮揚のきっかけになるかもしれないんだから。きっかけわぁ椿原!
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