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 余談だがこの中山市長は、新型コロナワクチンの先行接種を受けたことを、5月14日までに市が発表している。市長は「ワクチンが廃棄される可能性を踏まえた」「危機管理を担う立場から接種した」と弁明しているが、市役所の現役職員の男性は「職員3人の死の真相はうやむやにしたままで、自分の命のことしか心配していない」と冷ややかだった。

龍ケ崎市役所 ©️時事通信社

2020年10月、給食センター建て替え入札でひと悶着

 本題に戻る。

 今回、警視庁が捜査に動いた端緒として、前出の建設業界関係者には思い当たるフシがあるという。

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「昨年10月に実施された、給食センターの建て替えの入札では、ひと悶着ありましたからね。予定価格22億円以上の大型案件でしたが、市側はもともと入札参加の条件として『新築3000平米の施工実績』という無茶苦茶な条件を課していた。この条件に合致する市内の建設業者は、T社のみ。実はこのT社の顧問を務めていたのが川北で、彼が裏で動いていたのは明らかだった」

 しかしこれに「待った」をかけたのが、前出のD社の社長のHだった。

「Hは市長室に直談判に来て『こんなことしていたら警察に捕まるぞ』と市長に警告したそうです。これによって入札参加条件は見直され、結局このD社が受注したんです。落札率は約8割という低い水準だったが、総合評価方式で行われたこの入札では、価格以外の評価基準が、T社にかなり有利に設定されていたらしく、D社はこのくらい安くしなければ落札できなかったようだ」(同前)

あまりに多い、川北の影響下にある談合疑惑

 T社とは顧問として、D社とは情報漏洩先として、入札に参加した2社はともに川北と関係が深い業者だったことになる。

 この入札案件に関する捜査だったかは明らかではないが、1月末にはD社に、そしてその約1週間後にはT社に、それぞれ警視庁のガサが入っている。

 この件以外にも、川北の影がちらつく談合疑惑は枚挙にいとまがない。

 12月には、龍ケ崎市と周辺市町村の消防行政を司る稲敷広域消防本部で、組織図上のナンバー2である消防長が任意で事情聴取を受けている。ちなみにトップは管理者である中山市長だ。これは、副市長だった川村から令和2年度に行われた消防本部発注の工事に関する入札情報の漏洩を依頼されていた疑いに関するものだったことが裁判で明らかにされている。

「消防本部は、構成市町村が人口や面積に応じて拠出する負担金で運営されていますが、予算や議会議事録も公開してないのでかなりのブラックボックス。特に同消防本部の職員採用は、かねてから川北の影響下にあったと聞いている」(前出・現役職員の男性)

 さらに前出の建設業界関係者は、「市内の特別養護老人ホームや介護老人保健施設の開業に必要な許認可にも絶大な影響力を持っていた川北は、用地取得や業者の選定などに、自身の経営する株式会社ベルプランなる企業を介在させて、不当な『コンサル料』を取得していたことは有名な話」と明かす。