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経験不足を指摘する声も

 李氏が今回の党代表選挙で掲げているのは「公正」と公正な競争による「実力主義」だ。法と制度により公職の一部を女性に割り当てる「女性割当制度」の廃止や公職選挙で出馬する候補への資格試験制度の導入、大統領選挙候補者チームの討論会開催など斬新な提言が目につく。

 これに対して、「みなが李氏と同じような境遇にはない」と李氏の言う実力主義こそ公正ではないとする意見や、李氏への熱狂は「古い政治への怒りが爆発した地点にいた李氏の絶妙な幸運」(京郷新聞、6月8日)とする見方もある。

 政界では「0選で政治家としての力量も経験も不足している」という批判がある。

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 与党「共に民主党」の次期大統領選挙への出馬に意欲を示している丁世均前総理は、李氏について、「(党代表としては)大統領選挙準備にも力量不足」とし、また、理詰めで相手を論破するその姿勢を「実った稲穂は頭を垂れるものだ」と諭した。しかし、李氏と同じ「国民の力」の若手議員のひとりは、「稲穂は1年で枯れる」と応酬している。

 直近の世論調査の支持率では李氏は41.3%と2位の羅氏(20.6%)を20ポイント近く引き離している(6月8日、世論調査会社PNRリサーチ)。

失態続きだった「共に民主党」は…

 そんな野党の動きに緊張感を漂わせているのが与党「共に民主党」だ。

 曺国事態に始まり、朴元淳前ソウル市長と呉巨敦前釜山市長のセクハラ事件、LH(韓国土地住宅公社)の不動産不正投資、不動産政策での失敗、お友だち人事などの失態続きで支持率をじりじりと落としていた。

 そこへ、不正な不動産取引などに関与した疑いがある与党議員の名前が明らかとなり、6月8日、党所属の国会議員12人が離党勧告されている。この中には元慰安婦支援団体の資金を巡り在宅起訴されていた尹美香議員も含まれている。

チョ・グク前法相 ©時事通信社

 また、曺国元法相は5月31日、自身の痛みや真実、言えない思いを綴ったとする著書『曺国の時間』を出版し、人々に当時の記憶を呼び起こしており、「よりによってこんな時期に」と党内で不満が漏れる一方、本は1週間で10万部を越すベストセラーにもなっている。