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クレームみたいな気持ちも込めて
品川庄司の庄司さんに連載をまとめたコピーをお渡しした時に、「かつて子どもだった自分」と「子育て中の父親」という両方の目線で読んで感想をくださったのが、すごく嬉しかったです。
日常でドラマみたいに「お父さん大好き」とはなかなか言えないし、それに、そんなことが言えるようならこんな漫画は描かないと思いますが、「大好き」「ありがとう」だけじゃなく、クレームみたいな気持ちも込めて、今の自分の気持ちは全部描いたつもりです。
――クレームですか?
たとえば、僕の「たろうメモノート」は3冊しかないのに、お姉ちゃんの「メモノート」は38冊1800ページの大作であるとか、僕の顔よりうさぎのピッピの方がていねいに描き込まれているとか(笑)。
でも僕のノートの方が圧倒的に多くてちゃんと描き込まれていたら、逆に「ネタ」にはしづらいかもしれないので、結果的にはよかったです(笑)。
実は、お姉ちゃんのノートのなかにも僕は出てくるし、このあとは「家族ノート」に続いていくので、全作品まとめて「お父さん」なんだと今では思います。
(取材・構成:相澤洋美、撮影:山元茂樹/文藝春秋)
【後編を読む 「漫画も気象予報士も外国語も、全部やらないと食べていけないから」 矢部太郎が語る“漫画が評価されたとき”の“米屋”のような気持ち】
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