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「今までは僕がマウントを取って上から目線だった」

夫 「今回の事件は自分にも非がある。妻だけを責めるのは間違い。たとえ傷つけられようが、結婚して一緒にいると決めたら、それを貫き通したい」

夫 「今までは僕がマウントを取って上から目線だった。互いに意見を言えるようにしようと話した」

 樽井被告も言った。

樽井被告 「面会で今まで思っていたことを言って、夫が私の思いを理解したと思います。私も逆に夫の気持ちを理解していなくて申し訳ないと思って……」

樽井被告 「言いたいことをちゃんと言って相手の意見を聞ける立場でなかった。今は同等の立場で話ができると思うので、二度と暴力をふるわれることはないと思う」

 再婚は子どものためか、夫への愛情のためか問われると「どちらもです」と答えた。

 弁護人は最終弁論で「夫に尽くし疲れた妻が殺意を抱いた事件」と表現。樽井被告の反省の態度や夫の意向を強調した上で、裁判員たちに語り掛けた。

「再婚したい心情は理解できないかもしれない。私もそうです。夫婦の本当の内情というのは周りには分からないものです」(樽井被告の弁護人)

日曜日の早朝、閑静な住宅街で事件は起きた ©文藝春秋

「冗談を言って笑いあえる家庭に戻りたい」

 懲役5年の求刑に対し、言い渡された判決は懲役3年、執行猶予5年。猶予中は保護観察が付き、家庭について公的機関に相談できる環境が用意される。自首の成立や被害者の意向などが考慮され、ほぼ弁護側が求めた通りの内容となった。

 判決では裁判長が再婚について言及。「被害者が被告人を支配しているかのようであった2人の関係性や被害者の生活態度等が適切に改善されないままでは、再び被告人が精神的に追い込まれるような状況が危惧されもするが、被告人を服役させることで対処する問題とも言いがたい」。それが2人の夫婦関係に対する司法の判断だった。

 最終意見陳述の際、「冗談を言って笑いあえる家庭に戻りたい。(夫と子ども2人の)4人で普通に暮らしたい」と語っていた樽井被告。結婚生活には衝突はつきものだが、夫婦げんかと言うにはあまりに凄惨な事件を経た彼女は今後、どんな家庭を築いていくのだろうか。

 今年6月8日、ボーガンを規制対象に加えた改正銃刀法が成立した。法改正のきっかけとなったのは宝塚の事件と樽井被告の事件だった。

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