90年代、クイズ王ブームのなか現れた“女王”石野まゆみさん。なぜ日本中がクイズに沸いたのか、なぜ「クイズ王」という人たちが話題をさらったのか? ブームの中心にいた石野さんが、貴重な時代の証言を語ってくださいました。

石野まゆみさん

「クイズ王ブーム」は『当ってくだけろ!』が作った

――振り返ってみて、あの「クイズ王ブーム」は何がきっかけで始まったと思いますか?

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石野 たぶん『当たってくだけろ!』(TBS、1991〜93年)じゃないですかね。89年の夏、似たようなクイズ番組が放映されたときに、こんなバラエティー番組をやろうと思うという話があって。たぶん仕掛け人は制作会社にいて、クイズ番組でも活躍されていた道蔦(岳史)さんじゃなかったかと思います。それでクイズ研究会の人などに声がかかって、ミニクイズ大会みたいなことがあって……私の出来はたいしてよくなかったんですが、何があったのか声をかけていただいたんですよね。

『当ってくだけろ!』のスタジオで。左から道蔦さん、石野さん、西村顕治さん 写真提供:石野まゆみさん

――『当たってくだけろ!』は芸能人回答者とクイズ王が対決する番組でしたが、この番組が「クイズ王」というキャラクターを際立たせたところが大きいんでしょうか?

石野 私にとってもですが、西村(顕治)くんが世に出たことが大きかったのではないかと。クイズに強い西村くんという存在は知る人ぞ知るでしたけど、それまで彼はテレビにほとんど出たことがなかったと思いますから。西村くんがクイズ王として有名になったことがおそらくTBSの看板クイズ番組『史上最強のクイズ王決定戦』につながっていった。

高田純次さんの司会、収録関係なしに楽しんでました

――石野さんは当時、たしか「クイズ姫」とも呼ばれてましたね。

石野 『当ってくだけろ!』ですよね。結婚式のお色直しみたいなドレスを着て、司会の高田純次さんには「嫁にいけないキャラ」でいじっていただいたり(笑)。高田さんの司会、めちゃめちゃ面白かったんですよ。収録関係なしに楽しんでました。「優勝した方にはTBSを差し上げます」とか、最高ですよね(笑)。

――ファンレターもかなり多かったのではないですか。手紙でプロポーズされたりとか。

石野 ないないないない。全くない。もう全然ないです。NHKに出たときに4通だけお手紙いただいただけ。しかもテレビを観ていた高校3年生の男の子からの素朴なファンレター(笑)。