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人を疑うことに「せつなくなってしまって」

 同行者だけで入れれば転売チケットを買わなくてよかったし、いっそジャニーズ自身がオークションにしてくれれば、たとえ高額でも納得できます。定価より高いぶんは推しに渡してもらってもいいし、制作やチャリティに使ってもらってもいい。転売する人に高いお金を払うよりずっといいですよね」(Bさん)

 やっとお友だちが当ててくれたのに、“同行者”だから権利が消失してしまうというBさんのやりきれなさはよくわかります。転売チケットであっても名義人本人であれば、その同行者として入場できるため、Bさんはその手段を取ったのでしょう。 

 そしてCさんは、チケットを巡って人を疑わずにはいられない状況に嫌気がさしたといいます。

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「紙チケのときはチケットの実物を渡したり交換すれば済んだけど、デジチケだと相手を信用するしかないんですよね。“交換同行”で入ろうとしても、自分がチケットを買った公演が先だと、その公演の後にブロックされて連絡が取れなくなり、チケットを無料で譲っただけになることも多いですから。

 ファンクラブの会員証を預かるとか、身分証のコピーをもらうとかも考えたんですけど、相手を犯罪者扱いしてるみたいで気が重いし、かといって裏切られない保証はないし……。こういうことが続くとせつなくなってしまって、高値でも“売って、買う”ほうがいいやって気持ちになるんです」

滝沢秀明 Ⓒ時事通信社

 先日、私の友人もチケットを譲ってくれるはずの人がついに現れず、苦い思いで会場を離れたと言っていました。幸い金銭の被害はなかったようですが、期待感を裏切られた辛さは想像するにあまりあります。

ジャニーズが見直してくれることを信じて

 ジャニーズがファンのことを思ってデジチケを導入してくれたことは間違いありません。ジャニーズはこれまでも、ファンによりよい環境を提供できるようにさまざまな改善をしてくれました。

 転売目当ての買占めが横行していたコンサートグッズの販売をオンラインに切り替え、しかも期間中に注文すれば誰でも買えるようにしてくれたのはまさに神対応。最近ではコンサートのライブ配信をしてくれたりと、日進月歩するサービスの拡充っぷりには頭が下がるばかりです。

 デジチケ導入は結果として状況を悪化させてしまっていますが、ジャニーズも今のままでOKだと思っているわけがありませんから、システムを見直してくれることを信じています。

 元をたどれば場内で座席券をやりくりする人たちも、多くは「推しが大好き!」という気持ちから「もっと前へ、もっと近くへ」と思いをほとばしらせているだけです。転売目当てで大量のチケットを仕入れる業者や暴走してしまうファンは批判されて当然だと思いますが、つい前方のチケットを買ってしまう気持ちはファンとしてわかる部分もあり、ひとくくりに叩く気にもなれません。

 いつも、「さすが!」と言わせてくれるジャニーズ。チケットに関しても、唸らせられる名采配が待たれます。