昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載テレビ健康診断

競馬番組出演者から透けて見える「競馬そんな好きじゃねーだろ」問題――青木るえか「テレビ健康診断」

『競馬BEAT』(関西テレビ系)

2021/06/27

 不景気を地味に実感させられるのがJRAのCMだ。ここ数年のCMの、まあ安いこと。

 松坂桃李や土屋太鳳が競馬場でキャッキャやってるんだからカネはかかってるんだろうが「競馬そんな好きじゃねーだろ」と、出演者にも制作者にも言いたくなるような、カネはかけてもアイディアはおざなり、のバラエティ番組みたいでつらい。「これやっときゃ数字取れますよ」がすべてみたいな、景気の悪さって世界をこうして安易でつまらない色に染めていく。

 と、大きく出てしまいましたが、日曜午後3時フジテレビ系列の競馬中継は、わりと昔からおざなりな作りであった。オグリキャップとかの景気のいい時も、熱心な競馬ファンにさんざんディスられてた。「タレントいらん! 競馬を見せろ!」と。

©iStock

 ただし関西圏は関西テレビが制作して、フジテレビとは違う、ほんとに競馬好きなタレントを起用して(宮川一朗太とか……って一朗太くんが出てたの何年前だよ。15年前だって)、馬好きにもギャンブル好きにも好かれる番組をつくってた、と思う。

 しかし。今、関テレの『競馬BEAT』を見てると、ここ数年のJRAのCMみたいに安い。「まあこんなもんでいいでしょ」的に続いている。“競馬中継”は「主催JRA」で、打ち切りがない長寿番組で、やらなきゃならない内容も決まってるし(レースとパドックと予想と結果と配当)、惰性になるのもムリもない、けど前はこうじゃなかった。出演者は今のほうが多い。それもお笑いタレントの準レギュラー。だからきっとカネはかかってる。

「お笑いタレントと競馬中継番組は相性悪い」

 は私の持論で、もっと聞きたいレースや予想の話がネタで消費されて終わっちゃうことが多いのだ。なので、私はこの番組では、なぜ出てるのかさっぱりわからない橋本マナミの、たどたどしくもジリジリと進む競馬ファンへの道に期待したい。

『競馬BEAT』蛍原徹(右)と恒川英里関西テレビ系 日15:00~ 写真は6/13放送より)

 そんな「安い競馬中継」を嘆く皆さま、ローカル競馬になって地方局制作になった時が狙い目だ! 関西圏は東海テレビ制作で蛍原徹司会で、地方民放の夕方ワイドショーみたいなスタジオに、なぜかギャンブルの現場に出てくるとミョーな玄人感をかもし出してくるSKE48のメンバーや、ものすごく競馬中継にしっくりくる下世話さと人の良さがぷんぷんする山本昌とかがゲストだ。見るからに安い! けど安心感がある。「本来競馬などこういう安い下世話なものだ」と反省したくなってくる。それに地方制作の中継は、「ほんとに競馬(というよりもバクチ)好き」な感じが、制作にもゲストにも、隠しきれず出てきてしまうのがいいんだと思う。夏競馬万歳。

INFORMATION

『競馬BEAT』
関西テレビ系 日 15:00~
https://www.ktv.jp/keiba/

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

週刊文春をフォロー