Q 日本の女性議員、どうして増えない? もっと法律で増やしたり出来ないの?

 自民党が6月16日、後部座席の側面が透明で内部の様子が見える構造になっている「女性局宣伝カー」を公開したとニュースで見ました。今後の選挙の街頭演説などに使う予定なのだそうです。

自民党女性局宣伝カー納車式に出席し、車内から手を振る自民党の二階俊博幹事長(中央) ©️時事通信社

 ニュースでは背景として、自民党の女性活躍推進特別委員会が、2030年までに党の国会議員の女性候補の割合を35%とすることを次期衆院選の公約に盛り込むよう求める提言をまとめたことが上げられていました。

 日本は女性議員の数が少ないという話はよく聞く一方で、海外では選挙の候補者を男女同数にすることなど、もっと踏み込んだ法律を作っている国もあると聞いたことがあります。どうして、日本では女性議員があまり増えないのでしょうか。そして、もっと踏み込んだ法律は作れないものなのでしょうか。(20代・男性・学生)

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A 日本にも男女の候補者数を「均等」にするよう求める法律はありますが…

 実は2018年5月に「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されました。これは、国政選挙や地方議会の選挙で男女の候補者の数ができる限り、「均等」になるように政党に求める法律です。実行しなくても罰則はありません。あるべき「理念」を謳っているだけなのです。これでは女性議員を増やそうという動きは、なかなか出て来ません。

なかなか女性議員の数が増えない日本(写真は2014年の総選挙時) ©️iStock.com

 女性議員を増やすのに効果があるのは、ひとつは女性議員の割合の最低基準を定めるという「クオータ制」の導入です。ヨーロッパでは、これにより女性議員の比率を高めることに成功した国もあります。

 また、クオータ制で定めた割合をクリアできなかった場合、政党助成金を減額するという罰則を定めることで政党に努力を求める方法もあります。

「女性議員の数が少ない政党は、時代遅れの政党だ」というイメージを広めていくことも大事でしょうね。

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